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「シーツが張れたからおいで」と艶っぽく言う恭司の申し出に、シャワーを浴びてからと女子の様な断り方をすると、「一緒に入って洗ってあげるよ。」とハレンチ極まりない事を言った恭司に、丁重に御断りして、順番に入る事になったは良いが、先に上がった凪はソワソワと落ち着かないでいる。
言いたいことを言い合ってスッキリしたせいか、昨晩盛大に致したせいなのかは良く分からないが、いつもならすぐできるはずの欲望と理性のシフトチェンジが出来ずにいた。
君のー、やる気スイッチ何処に有るんだろ。見つけぇてあげるよぉ、君だけのやる気スイッチ! ダァー!! 早く見つけて、俺だけのやる気スイッチ!! どうした、凪、切り替えろ!このままじゃ羞恥で死ぬぞ!!
某CMソングを思いながら凪が慌てていると、恭司がバスルームから出てきた。
「ここに居たの。ベッドで待ってればよかったのに。ふふ、どうしたの、その格好。」
ソファーの上で正座する凪を見て恭司は笑いながら聞く。
「...何か、...緊張しちゃって。恭司さん、一杯だけ飲んでも良いですか?」
このままでは心の臓が持たないと踏んだ凪は酒の力を借りようと、恭司に申し出た。
「......凪、飲むと寝てしまうだろう。」
「ちょっとだけ!お願い、ちょこっと飲むだけですから!っね?」
正座のまま、両手を拝む様に合わせて恭司に懇願する。我ながら必死だ。
「...ふぅ、仕方がない。一杯だけだよ。寝てしまったら、拗ねてしまうよ。」
凪の鼻を摘まみ、笑いながら恭司は言った。ワインセラーからワインを取り出し、恭司がグラスに注いでくれる。炭酸が入っている訳でも無いのにキラキラと輝くワインが凄く綺麗で、凪はグラスを掲げて光に当てた。
「...わ、凄く、綺麗。」
暫し見とれていると、恭司が教えてくれる。
「日本産の生ワインなんだよ。発酵してるからキラキラして見えるのかもね。どれ。」
自分も同じ物を持っているのに、寄り添ってその掲げているグラスを仰ぎ見てる。
その顔の近さに凪はまたドキンとした。
「...ああ、本当だ。キラキラしてるね。こうしてよく見たことは無かったな。凄く綺麗だね。」
いえいえ、恭司さんが並ぶと霞みますよ、お綺麗なお顔ですこと。
「じゃあ、乾杯しようか。仲直りの記念に。」
「あれってケンカだったんですか?」
「凪は怒らせると怖いよ。飛び出して行かれた時には泣いてしまいそうだったからね。」
凪がくすくす笑いながら聞くと、恭司も笑いながら答える。
「ごめんなさい。でも、泣いてる恭司さん、ちょっと見たいかも。いつも、俺ばっかり泣いてみっともないから。」
「凪は泣き虫だからね。」
拗ねて言う凪に恭司は困った様に言った。こんな他愛も無い時間が凪も恭司も嬉しかった。
一緒に居たときは当たり前に過ごしていた時間がこんなにも愛しいものだと気づかされた。
凪は喜びを噛み締めながら恭司と乾杯をし、キラキラ光るワインを口にした。
「 これを飲んだら仲直りエッチしに行こう。」
「 ん"んっ!? ゲホゲホッ!!」
恭司の言葉に凪は盛大に噎せる。大丈夫かい!?と背中を擦る恭司がくすくす笑ってるのを見て感じた。
俺のやる気スイッチ見つけた。
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