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「.........ん...」
半覚醒で微睡む凪がいつもの癖で左手を動かそうとするも、叶わない。どうやら今日はいつもと反対側を向いて寝ている様だと、寝返りを打とうとするもそれすらできない。仕方なく薄ボンヤリ目を開くと、開いた目の先に恭司の姿は無く、約束したのにやはり帰ったのかと、悲しくなった。
そっと身体を起こそうと身動ぐと、腰に腕がしっかり巻き付けられいて動けず、首だけで振り向いたら、目がしっかりと恭司の姿を囚えた。
俺の右側、いつもの定位置に恭司が眠っている。
ただそれだけの事なのに、胸がぐっと締め付けられる程、嬉しかった。
身動きさえ取れないほどしっかり抱き込んでいる恭司の腕に自分の手を重ね、後ろに居る恭司に少し体重を預ける。後頭部に当たる恭司の寝息と体温が、確かにそこに恭司が居る事を示唆している。やっぱり顔が見たいと、腰に回った腕をそーっと持ち上げて寝返りを打った。
静かに眠る恭司の顔はとても綺麗で、うっとりと見入っていたが、その唇に触れたい衝動に駆られて指先で少し恭司の唇に触れた。
そのしっとりとした柔らかな唇を撫でた途端、凪は欲求を抑える事が出来なくなり、自分の唇を重ね合わせた。
「......その起こし方が一番好きだ。」
唇を離すと瞼を開けた恭司に寝起きの少し掠れた声でそう言われ、凪は二人一緒の朝を迎えた事を顕著に感じた。
「...朝の分。」
共に暮らしていた時にした、朝晩キスをすると言う約束を久しぶりに叶える事ができた事が嬉しくて嬉しくて、凪は涙が滲む目でへニャっと笑って恭司にそう言う。
「そう。...じゃあ、まだ昨日までの分貯まってるから、もっとして貰わないと。」
笑う凪の嬉しそうな顔を見たら恭司は堪らなくなりギュッとその胸に抱き込んだ。昨晩だって、その前だって、腫れるのではないかと言うほどキスをした。だが、凪の顔にはこのキスをするのを心待にしていたと、ありありと書いてあった。まるで夢が叶ったかの様に嬉しそうな顔をする凪を見て、恭司は泣きたくなるのを堪えるように、更に強く凪を抱き締めた。
「これじゃ、出来ないよ。」
困った様に笑う凪に愛しさが募る。凪への気持ちはこの上なく溢れ、これ程までに人を愛せるのかと自分自身が一番驚いているほどだ。
共に迎える朝を毎日あげられる様、一刻も早く片を付けよう。
恭司はそう決意を新たに、誓う様に凪にキスをした。
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