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なんじゃコリャぁぁぁっ!!!
凪は朝から一人、往年の名俳優、松田優作バリの叫びを内心であげていた。
あの後、自分でやると豪語したのにも関わらず、結局恭司の上に跨がっているだけの人になり、されるがままだった。
事が済んだ後、イタリア製のソファーに点々と付いた白濁を見た時、ようやくハレンチな自分に後悔した。
その後はイチャイチャと共に居られなかった時間を埋めるように片時も離れず過ごし、連日のハレンチ行為が祟り疲労困憊の凪は、子供か。という時間に眠り、老人か。という様な時間に目が覚めた。
ヒマヒマ過ぎて死にそう。と、そっとベッドを出て、約3時間後。只今、キッチンで松田優作になっている。
恭司の誕生日をすっかり忘れてた凪は、何かプレゼントを考えていたが、物品は何でも持っていそうなので却下し、俺とか?とアホな事も考えたが、これもほぼ毎日捧げているので、つまらん。と頭を捻った結果、朝食を作ろうと思い立った。
手を出してはいけない分野だと悟りはしたものの、恭司もまた作って欲しいと言っていたし、前回は夕食だったから大変な事になったけど、朝食なら平気かもっ!と安直な考えで手を出したら、やはり、大変な事になった。
「......ダメだこりゃ 」
今度はいかりや長介だ。余りの出来の悪さに故人がどんどん凪に乗り移る。
シンプルなだけに誤魔化しの効かない朝食をなめていた凪の作った物は、茶色を通り越して黒が大半を締める物となった。
「...やっぱ手出しちゃいけなかった。こんなもん食べたら癌になるわ。.....朝飯、買ってこよ。」
バンビな脚を推して頑張った証しをアッサリ諦めて凪が買い物に出ようと思った時、恭司が寝室から出てきた。
「...おはよう。何してるのかな?」
わちゃわちゃと慌てる凪を他所に、恭司は真っ直ぐキッチンに来て、後ろから凪を抱き込む。
「........これは?」
「........朝食になる予定だった黒焦げ達です。」
顔を赤くしたり青くしたりしながら凪が答えると、こんな不出来を通り越して炭みたいなもんなのに恭司は満面の笑みを浮かべた。
「私の為に作ってくれたの?嬉しいよ。」
「......一緒に作り直してくれますか?」
「いいよ。一緒に作ろう。」
二人で笑いながら朝食作りをした。取り止め無いこんな些細な時間が大切だと、もう凪も恭司も知っている。
失った時間も多大だが、これからの時間を共に過ごせる。それだけで二人は良かった。
凪の未来に恭司が居る。それが一番大切な事。
「凪は一生懸命だけど、料理の才能は皆無だね。」
「...ええ、自他共に認めるものですね。」
「ベッドでの才能は豊富なのにね。」
「...お陰様で。特技、床上手なんで。...披露ししましょうか?」
「是非。じゃあベッドに戻ろうか。」
「......冗談ですよ。暫しの猶予を下さい。まだ脚がバンビなんで。」
こんな風に二人の未来は続いていく。
fin
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