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おまけ 3
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深紅の絨毯の上を凪は足早に進む。重役専用階であるこの39階で出会す人は極限られてはいるが、この情けない顔を誰にも見せる事は出来ないと、秘書室にさえ戻れない。見せられないのは顔だけではない。触れるだけのキスで完全に欲情した。
... どーすんだよこれ、こんなんで女の園に戻ったら変態じゃん!
女の園でなくても会社で勃起させたまま廊下を歩くなど既に変態行為だが、凪はそんな事には気がついていない。
トイレ行く?えー、でも時間勿体無いよなー。
...ああ、あそこ行けばすぐに治まるな。捺印貰わなきゃだし丁度良いや。
そんな考えのもと、常務室に向かった。
専務室の重厚な扉と違い、近未来を思わせる扉を軽くノックする。
「 誰? 」
だから、毎度毎度家かっつーの!!...あ、良かった。
とても重役とは思えないかっるい返事に下半身が正常に戻る。ここに来て正解だったと、少々へらっとした。
「相原です。失礼しても宜しいでしょうか?」
声を掛けると、中から雅臣が扉を開けてくれた。
「凪ですって言えっつってるだろ?別嬪さん。」
「ちょっ!?何でアンタはいつもそうなんだよ!いちいちセクハラするの止めて下さい!!」
挨拶の如く尻を撫でる雅臣に、凪は重役扱い出来ずにいる。とても部下とは思えない態度で、雅臣の目の前に書類をペラッと見せつけた。
「はんこ下さい。」
「...宅配便かっつーの。ま、良いや。入れよ」
扉を抑え、紳士的なしぐさで雅臣は中へと促して来るが、凪は決して中には入るまいと決めている。
「こちらで結構です。二人きりになると何されるかわかりませんから」
「身持ちが堅いこった。ちょっとくらい遊んできゃ良いのに」
おまえは仕事しろよ!!つか、暇なら俺の代わりにチョコのリスト作ってよ!!
凄く本気で思っているものの、流石にこれは言えない。雑な扱いをしてしまっているが、相手は常務取締役で重役だ。そこまで日本の縦社会を舐めちゃいない。
「......仕事が立て込んでますので」
「ふーん。なら一緒にランチ行こうぜ」
「.....................。」
おまえとランチ行ける時間が有るなら、恭司さんと行くわぼけぇーっ!!!
とガッツリ心の中で毒づくが、大人なので顔に思いを乗せるに留める。
「昼頃迎えにいくわ。ほらよ」
勝手な事を言いながら、雅臣は眼も通さず書類に捺印し、それを凪に渡した。
「...いや、本当に時間無いんです。しかもざっとでも読まなくて平気なんですか?」
「平気だろ。だってこれ、兄貴の書式じゃん。間違いねぇだろ」
......バレてーら。
「んで、ランチは決定事項だから」
死ね!じゃ、行こーぜ?って聞くなよ!!もっかいいっちゃお、死ね!!
毒づき続ける凪を尻目に、雅臣は屈託の無い笑顔でじゃあなと扉を閉めたが、あっそうだ!と再び扉を開ける。
「凪、悪りぃんだけど昴兄ぃの所にこれ持ってってくんね?」
「 ......畏まりましたー。」
ピラッと渡された書類を受け取り会釈して踵を返す。
くんね?って聞いたけど、どーせこれも決定事項なんだろ!だあぁぁぁぁっ!!仕事増えたー!!.....しかも社長、恐いんだよなぁ。やだなー。
凪の1日はまだまだ先が長い。
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