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おまけ 14
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「お帰り」
一緒に帰って来たのに、玄関ホールに入るなり恭司にそう言われ、凪はクスクス笑った。
「ただいま、んん!?」
凪が返事を返すと恭司は透かさずキスをする。驚いた凪はボッと顔を赤くしたが、直ぐにそれを甘んじて受け入れた。
ずっとキスをしたかった。
恭司が専務室でキスしようとした時、いつまでも赤い顔を戻したかったのもあったが、アラビアータを大盛りで食べてしまっていたから、えらいニンニク臭なのではと思い、受け入れられなかった。
ここなら誰も居ない。公私を共にしている二人の家。
ベーグルサンドも食べたし、時間も経ってる。きっとニンニク臭はしないだろうと食べ物の事を考えていたら、ムードもヘッタクレも無く凪の腹がグゥーとなった。
...だあぁぁぁぁっ!!空気読めよ俺の腹!!王子さまにキスされて腹鳴らす奴は居ないだろーっ
何に飢えとんじゃい!千年の恋も冷めるわ!!
「......申し訳ございません」
羞恥からしおらしく敬語で詫びたが、出来れば腹を鳴らしたのは秘書の方で恋人では無いと思って頂きたいと願いもこもってる。
「とんでもない。私の欲より、先に凪くんのお腹を満たしてあげた方が良いみたいだね」
意図が伝わった様で恭司も上司の振舞いで返してくれたが、秘書で有ろうと恋人であろうと結局は自分一人なので羞恥は変わらなかった。
支度をしておくから先にシャワーを浴びておいでと優しく言われ、
「至れり尽くせりでかたじけない」
と何故か武士になる。羞恥で壊れている凪を恭司は艶っぽい目で見ていた。
「至れり尽くせりな訳じゃないよ。丸々太らせてから食べるつもりだから」
「 なっ!? なんですと!?」
王子さまかと思いきや魔女だったー!!食べられても構わん!!
心の中では覚悟を決めるも、表は赤面しておたおたしている。凪と恭司、どちらが皮を被っているのか分からない様な状況で、先に白旗を上げたのは凪だった。
「...シャワー浴びてきます。お手柔らかに」
消え入りそうな声でトボトボ歩き出した凪に、恭司は追い討ちを掛ける。
「一緒に入るかい?」
「 なっ!? どんでもない、滅相もない、拙者、貧相でございますから、何とぞ平に!!」
言いながら手をぶんぶん振り後ずさる凪の心臓は、破裂しそうな程騒いでいた。
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