アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
おまけ 21
-
「キスしたーい。」
恭司の問いに答えず自らの望みを言う。困ったように笑った恭司が軽く口付けると、凪はいやいやと首を振る。
「んー!違う!もっと、もっとちゃんとして!」
「...凪、後でしてあげるから。今は我慢してくれないかな?」
凪の望む様なキスをすれば理性を抑えられなくなるのは自分の方だろうと恭司は思っている。友人のいる場でそう何度も凪を抱くわけにはいかない。兎に角隆雄を追い返そうとそう言ったのだが、凪の目にはブワッと涙が溜まっていく。
「我慢なんて出来ないっ、昨日だって我慢した!だからもうしない。恭司さん、シタくないの?」
甘美な誘惑だ。息の掠める距離でそんな事を聞かれれば、恭司だって我慢をするのが辛くなる。
元より凪には我慢などもう微塵もさせたく無いと思っている。我慢を強いてきた。それが恭司の中にあるからだ。
「そんな事は無いよ。いつでも凪を抱きたい。」
言って奪うように口付ければ凪の目から涙が伝い落ちる。絡めた舌からワインの芳醇な味がして、恭司は夢中になってその舌を味わっていく。
「はーい、問題です!凪ちゃんが飲んだワインの銘柄は?」
カウンターに頬杖付いた隆雄がにこにこと聞く。邪魔をされた恭司は笑んではいるが、目が全く笑っていなかった。
「シャトー オーブリオンだろう。ヴィンテージワインをおまえに飲ませるのは勿体無い。」
「正解!!流石恭ちゃん!ペロッとしただけで分かるなんてソムリエに転職した方が良いんじゃない?」
「...こら、凪、」
隆雄と話している間も凪は止まらない。恭司の首筋に吸い付きキスマークを残すと、もどかしげに恭司の服の中に手を入れる。窘めてもその手は止まらず、恭司は再び隆雄に目を向けた。
「悪いが早急に帰ってくれないか。用件があるならメールで送っておいてくれ。」
「やだよ。もう飲んじゃったから泊まるって。」
然も当然の様に言い放たれ、恭司がうんざりすると、それにと隆雄が続ける。
「俺も凪ちゃんが好きなんで。そう易々と凪ちゃん抱かせないよ。」
...まったく。隆雄といい雅臣といい、凪はどうしてこうも厄介な者ばかり引き寄せるのだろう。
人の気持ちは仕方がない。特に隆雄が凪に惹かれたのは自分の愚かさが原因だろうし、文句は言えない。けれど直ぐに他の男を惹き付ける凪に恭司はほとほと困り果てていた。
当の本人は恭司の肌に夢中で吸い付いていてこっちの事はお構いなしだ。
...仕方がない。酔い潰すか。
恭司はそう決め、凪を抱えたままブランデーを取り出した。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
153 / 160