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おまけ 28
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いつまでも裸でベタベタとくっついている凪が可愛い。飲み物を持ってくるから待っていてと伝えれば、立ち上がる恭司の手を弛く握り、ぎりぎりまで離さない。
「直ぐ戻るから」
寂しげに追う指にキスを落とせば先程までの妖艶さはどこへやら、それだけでボッと顔を赤らめた。恭司がくすくす笑いながら出ていくと、凪は枕を抱えて悶え出す。
「王子さまやんけ~!キュンキュンしちゃったじゃん!くぅぅぅぅっ!!心臓がぁ!!」
ゴロンゴロン転がっているとお待たせとドアが開き、凪はピタリと動きを止める。バカだと思われたく無いのだ。けれど恭司はそんな凪も勿論知っているし、そんなところも可愛いと思っている。何をしていても可愛いと思ってしまう恭司の方が本当は痛いのかもしれない。
「良い子にしてた?」
...いいえ、物凄く壊れてました。
とは勿論言えないので、はいと殊更しおらしく言う。おいでとベッドに乗り上げ言う恭司に従いぴとりとくっつくと、口を開けてと言われ素直に開けた。
「ん、これって、」
「ふふ、二人で作ったチョコだよ。どう?美味しいかな?」
...テンパッただけですけどね
「美味しいです」
そう答えたものの凪の顔は浮かない。折角自分だけが許された手作りの特権を無駄にし、結局恭司に迷惑を掛けただけだったなと、今更落ち込む。
そんな顔を恭司が見逃すはずも無く、心配そうに凪の顔を包んだ。
「...どうした?」
「...俺、何にもしてあげられなくて。仕事も家事も、全部恭司さんに頼ってばっかりで。でも、一緒に居たいっ、」
キュッと掴んで本音を言えば眼に涙が溜まっていく。不安なのだ。何も出来ない自分にいつか恭司が愛想を尽かしたら、面倒だと思う日が来たら、そんな事を考えると怖くなる。
「居てくれなきゃ困るよ。未来も含めた全部、私にくれたんだろう?嫌だと言っても手離さないよ」
もう十分過ぎる程分かっているだろうと恭司は鼻を擦り合わせる。それを受けた凪が漸く笑う。
「うん。じゃあ、お裾分け」
チョコレートの味が広がる舌を差し込んで言えば恭司は絡めとる様にそれを味わった。
「ホワイトデーは一緒に飴細工作ろうか」
「...いやいや、無理ですって。チョコであんな悲惨だったのに、飴細工って...。」
恐ろしい事を言う、と凪はブンブン首を振る。
「一緒にやれば楽しいよ」
綺麗に笑んだ恭司の顔に、それもそうだなと凪は思い直し、笑って頷いた。
「チョコもう一つ食べて。身体が冷えてしまったから糖分とって温まって」
凪はそれに首を弛く振り、恭司を引き寄せた。
「...じゃあもう一回、恭司さんが温めて」
「そんな事を言って。ふふ、明日どうなってもしらないよ?」
「ふふっ、覚悟してます。...ね?もう一回、」
翌日、社内をバンビで駆け回りチョコを返している凪の姿があった。
チョコに振り回された二人のスウィートなバレンタイン♪
fin.
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