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72.ネコVS猫!(ほのぼの?)
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ガチャ
「先輩〜」
「ーーあっっ、何だよ枷、お前出掛けてたのかよ、」
「あ、すみません。ちょっと醤油切らしちゃって。少しスーパーに」
「何だよもうー、朝起きたらいないしびびったしもう…」
「ごめんなさい、寂しかった?」
なでなで
「…、べっつに、…そんな寂しくないし」
「ごめんね、不安がらせて」
「……」
「そんな不機嫌な顔しないで?本当にごめんね。」
「…。」
「そのお詫びにと言ってはなんですが、これを今日は拾ってきてですね」
「…お詫び?」
「ーええ。さっき、猫見つけて。ほら」
「は?…猫って、ーぎゃ……!?」
ニャー、ニャー
「帰りに見つけたんですよね。ちょっと目が合ったので、拾って帰ってきてしまいました」
「…………。」
「いやー、可愛いでしょう?毛並みも綺麗で、誰か飼ってたんだろうなあ。ふわふわの白の猫ちゃんですよ〜」
「……。…お前さ…。……前から何となく思ってたんだけどさ、…猫大好きだろ?」
「えっっ何で分かるんですか?」
「……だってお前、俺のことやたらと猫だ猫だって…だからきっと動物のまじの猫のこと好きなんだと…」
「うわ〜鈍い先輩にバレるなんて少しショックです」
「ーどうゆう意味だそれは?!」
「まあ、猫と仲良くして下さいね。同じ猫同士なんだし、できますよね」
「同じじゃねえ…!俺は人間…!」
「可愛がってあげてくださいね、猫」
「っちょ、何で俺に渡す……っ!?」
「じゃ、もうこんな時間ですし、俺はお昼作りますね。先輩は猫よろしく」
「ーえっ?、あっ?、…え!?、ちょっと!!?」
ニャーニャーニャー
………。
ーーーーーー
ー
バタバタバタ!
「枷っっ!!!枷ェっっっ!!!」
「あ、先輩どうしたんですか?もうすぐご飯ができ」
「あの猫怖いよ…!!まじ怖い!あんな可愛い顔して!超怖いよ!やだ!俺あの猫と一緒に暮らしたくない!!」
「…はい?先輩急に何を言ってるんですか?」
「〜だって!!だってだってあの猫…!!俺がさっき寝転がってたら髪に噛み付いてきた……!!」
「は?」
「軽いもんじゃないんだぞ!?ガブってきたんだ!!がぶって……!!」
「先輩…。…まさか猫にまで舐められるとは」
「ーー猫にまでってなんだよ!?猫にまでってなんだよ…!?」
「今更捨てることなんてできませんよ。もう拾って帰ってきちゃったんだから」
「何だよお前……!俺よりあの猫が大事なのかよ!?」
「、…え?、いや、そんなことを質問されても」
「もーーーー!!枷の馬鹿!!枷の馬鹿!!俺より猫が大事なんて……!」
「先輩、…あなた何を急に可愛いこと言って…」
「もういいよ……!もういいよ!お前なんか知らねえよ!!」
「あっ先輩?ちょっと、ーこら」
「もーーー!!引っ張るなよお前ーーー!!はーなーせーよーーーッッ」
「何処に行く気ですか?駄目ですよ、お昼できましたから、ちゃんと座って」
「やだよ…!!俺は1人でテキトーにどっか外食して食べる!俺はこれから家出てくんの…っ!!」
「……はあああ?」
ビクッッ
「……、……な…」
「ー何ですって?1人で外食するって?俺のご飯を食べずに?へーぇ」
「………ぁ……いや…」
「ー座って下さい。席に着いて下さい。俺の言うこと聞けませんか?」
「………、…」
…ガタ
「はい。偉いですね。はいどうぞ」
「………。…いただきます」
ーーーー
ー
「枷、洗うもんもうない?」
「ありませんよ。」
「じゃ、こっちのだけで良いのか。あと皿一枚…か」
ガブっ
ーて、…ーーーーっっんんん!!?
「っっっいっっっった……ァ…!?」
「先輩っ?、どうしました?皿割りましたか?大丈夫?」
「いった、いった、いった、いった!!、ちがっ、違くて、違くてっ、猫、猫…ォ……!!」
「ーえ?」
ニャーニャ〜ァ
「〜〜もう何なのこの猫…!!まじッッやだ!!噛んでばっかくる……!まじ何なのこの…」
「ーあ〜あ〜もう、いないと思ったらこんなとこに来てたんですねぇ。駄目でしょう〜リビングいないと〜」
「…、ぇ…。…ぁ」
ヒョイっ
にゃあ、にゃあ、にゃあ〜
「あ〜はいはいはい、大人しくしようね。ん?、あ〜もう、手をそうやって噛まないの。食べ物じゃないの。駄目でしょう?ちゃんと言うこと聞こうね〜〜」
にゃ〜…にゃー…
「ぁ、…ぁの、…ぇ……あの、あの?…枷、…お…い、おい…」
「うん、そうかそうかそうか、いい子いい子だね〜。俺と一緒にソファに座っておこうね。今先輩の邪魔しちゃ駄目なの。分かった?分かった〜?はい、分かったら行こうね。あっち行こうね〜」
「…………。」
「あ、先輩、こっちにもまだ洗ってないコップありますよ」
「…あ。…ご、ごめん」
「良いですよ、別に。」
「…、……あ、ぁああの、枷、」
「あ〜〜もう、服に噛み付きだしましたか今度は。もう、駄目でしょう?ちゃんと俺の言うこと聞いて。ん?」
「〜〜」
「先輩、どうしました?」
「………な、何でもねえよッ別に何でもねえよ…っっ!」
「あ、そうですか」
「〜〜〜ッ」
「はい、分かった分かった、座ろうね〜〜」
……っ…ちっくしょーーー!!…猫に枷取られたああああッッ!!!
ーーー
「枷っっ」
「あ、先輩。洗い物終わりました?」
「あっ?あ、ああ、今終わった!」
「そうですか」
「おっ、お前さあ…っ!」
「あっっ、大きい声出さないで。今猫が寝てるんです」
「、ぇ、あ、え」
「可愛いでしょう?…俺の膝の上で、気持ち良さそうに寝ちゃって」
「………」
「…先輩?」
「、…ね、猫ばっか…」
「ん?」
「おっ、俺も、隣座るし……!」
「え?はい、どうぞ」
どかっ
「…。…お前ってさ、まじ猫好きなんだな」
「え?あー、はい。まあ」
「…、…お、…俺よりも、ね、…猫の方が、好きなのかよ…」
「ーえ?」
「、ぁ、…いっっ、いやっ!?いやっっ!?な、なななな何でもねえっ!やっぱ何でもねえよ…!!」
「そうですか」
「、お、おう」
「……俺、小さい頃に、猫飼ってたんですよねぇ」
「ー、え、ぁ、は?…」
「小さい時だけですけど、親いなくて、友達もそんなに仲良い人いなかったから、その時唯一親に我儘言って飼わせてもらってた猫のことが、だからすごく、大好きだったってゆうか…」
「……、…そう、なの、か?」
「ええ。その時飼ってた猫は、結局体弱かったのもあってすぐ死んじゃったけど、…でも、それまでは、本当元気で」
「へえ…」
「俺が駆け寄ると、逃げて、俺が料理してると、寄ってきて、ある時放置して帰ると、部屋の中荒らされてて、だから俺、あぁもう何だこの動物気まぐれすぎる、やだな…とか、犬にすればよかった…とか、最初の内はそんなこと思ってたんですけど」
「……」
「でも、それも日に日に慣れていったというか、むしろ、従順な犬より、自由奔放な猫が好きだと思うようになってた。俺のことすごく毎日困らせるけど、でもそういうの全部可愛いって思えるようになってた。…世話かけられてばっかのそれが、いつの間にか自然と…楽しいなって、思うようになってた自分がいた」
「……」
「基本家に一人か、外行っても、大概勉強してたし、だから、寂しかった、部屋にいて、ふとした時に猫が、俺の足元にすり寄ってきて、可愛い顔して、見上げるんですよ。ある時は、俺の机の上に上がって、側で勝手に丸くなって寝てたりして…」
「……」
「…もう、それだけで良かった。それだけで全部、何もかも許せた。可愛い、可愛いって、思った。癒してくれた、俺の冷めた生活の中を温かくしてくれた…あの時は、まだはっきりとしたその感情が何なのかは分からなかったけど、…でも、あの時俺は、確かにその気まぐれ過ぎる猫に対して、今思えば、…好きって、思ってたのかな…とか…」
「……」
「…可愛いですよね。勝手なところが。迷惑かけたり、困らせたと思ったら、こうやって、…無防備に人の体使って寝ちゃったりするところが…」
……トン、
「…ー」
「スー……スー……」
「……寝てるの?先輩…」
「…スー……」
「……クス。……言ってるそばから」
「スー……」
「可愛いんだから……もう…」
ちゅう…
「……んぅ…」
「……猫が二匹も。……クス」
………ーー
…
ーーーー
「枷ーーーーーーーッッ!!」
「あーはいはいはいどうしたんですか先輩?」
「ー猫がっっ!猫がっっ!!また俺のこと噛みやがったんだ…!ちょー痛い!まじ痛い…!!血が出たっ!」
「またですか?もう、駄目でしょうもう」
「その猫どっかやれってば!!」
「駄目ですよ。猫を捨てるだなんて。まさか先輩がそんな卑劣な人だったとは。…ショックだな」
「、ぁ…ち、……違うよっ!!、…だ、だだだだだってッッ、」
「もう、ほら、猫おいで。先輩のとこ行かないの。も〜猫同士は仲悪いんでしょうか?」
「やめろお前それ!しかも俺に聞くなしね……!!」
「でも、俺にはそんな強く噛み付いたりしてきませんけど。」
「…、…な、何だよ…。俺は猫にまで嫌われてんのかよ……」
「ー先輩、そんな落ち込まないで下さい?俺は先輩のこと大好きですよ?」
「…、…なんだよ。お前なんか、俺よりそうやってまた、…猫…抱いてるくせに…」
「はい?何ですって?ちっさくて聞こえません」
「、ーな、何でもねぇよ……!」
「?なに拗ねてんですか。ほら、先輩もこっちおいで」
「っ、い、…行くかこの馬鹿っ!馬鹿!」
「なに怒ってんの。ほら、隣おいで?膝の上には乗せられませんが、横になら座れますよ」
「…、別にっ、俺部屋行くしッッ!」
「あ、こら。先輩」
「ーっ、はーーなーーせーーよ!このっっ!猫大好き人間ッッ!」
「何をあなたはぷりぷりしているんです。何ですか?ちゃんと言ってください」
「、…べ、別に何でもねぇーーよ!」
「そんなわけないでしょう?あなたすぐ感情顔に出るんですから。怒ってるのくらい俺はすぐ分かります、眉寄せちゃって、一体どうしたんですか?」
「…〜ッ、だ、だから、…別に何でもないの!!」
「強情な人ですね…あなたは」
「誰のせいでこうなってると思っ…!」
「はい?」
「…〜〜」
「先輩、続きなに?」
「ーーもういいっ!!俺部屋行くの!」
「あ、こら」
ーグイ
「だっ!!」
「横に座ってて下さい?部屋なんて、どうしてです?寂しいでしょう?」
「…っ、…」
「……」
「……、な、…なんだよ、」
「……いや。……先輩もしかして、……もしかしてだけど、猫に嫉妬してたり」
「ーーしてない!!!!」
「……。」
「、し、してない!!してない!してない!!してない……!してない!」
「あーもうはいはい、一回聞けばもう分かります。うるさいですね、静かにして下さい」
「、…ぅ、…だ…って…」
「…はあ。…馬鹿ですねぇあなたは。馬鹿だ馬鹿だと思ってましたが…」
「ーうっっっせえこの野郎!!!もうお前なんか嫌いだ…ッッ!嫌いだよ!!大っ嫌い…!!」
「こーら。そうやっていじけないの。好きですよ、あなたのことが一番」
「、……」
「こっち向いて、…先輩」
「……。」
「…可愛い顔して。…どんだけ好きにさせる気ですか。たまらないな、もう」
「ーっ、んっっ」
「……他の何より、勿論猫より、あなたのことが好きですよ?」
「……、」
「…安心した?」
「……、…ばか、」
「え?」
「……俺のこと、好きって、言っときながら……猫、ばっか……猫ばっか……見ちゃってさ……、」
「…。…先輩」
「…お前なんか、知らない…。…俺より、…猫なんか……優先して……」
「………先輩、」
ちゅっ、
「…何で?先輩」
「、…え?」
「ーーどうしてそんなに可愛いこと言うの?ずるい人だな、もしかして俺のこと、誘ってるの?」
「…、な…そんなわけなー」
ドサッ
「、な」
「……猫じゃなくて、そろそろ先輩の方を…可愛がろうかな?」
「…、可愛い、がるって…、」
ちゅっ、ちゅうっ、
「ひっ、んっっ」
「……あなた以上に、可愛い人はいないーー」
「……な、」
「…もっと俺のこと、誘惑して?もっと俺のこと、困らせてみて?先輩…」
「……、……も……お前………、」
「ん…?」
「、…」
「…まだ足らない。……あなたの好きが。」
「…え、?」
「もっと好きになって、俺のこと。まだ、まだ、まだ足らない。…もっともっと、俺を困らせて。……もっともっと、俺だけでいっぱいになって、たくさん怒って、口尖らしてみせて?」
「…、…な、何だよ……それ……」
「あなたは猫だけど、…俺の好きな昔の猫にまでは到底敵わない。あなたは気まぐれなだけじゃなく、俺の気持ちも、全て分かって、考えてくれる。俺の為に、思いもよらないことまで、起こしてくれる」
「………、」
「……あなたが些細な嫉妬をするなら、俺はあなたの機嫌が直るまで、あなたにしつこく言い続けてあげる」
「、……な、何を…」
「ーー俺はあなたが好きなんだと。」
「…、…」
「……あなたの為に、俺はいつだって、想いを寄せていますよーー」
「、……も、もう、…分かったよ」
「先輩、」
ちゅうっっ、
「〜〜…っ、」
「……可愛いですね。あなたは」
「〜〜もう……っっ、…お前、馬鹿だろ…!!」
「…クス。…だったら?」
ちゅうううぅうう〜
「、…やっ、やめろよ、…もうっ!」
「どうして?」
「、ーね、猫が、見てる…!」
「はい…?そんなのどうでもいいですよ」
「俺絶対嫉妬されてんだよ…ッッこの猫に…っ!」
「クス…。だったら、尚更見せつけないと」
「、はああ……っ!?」
「俺たちの間には、何も、誰も、…入られないんだってね。」
「…っ……このキザ男ッッ!!」
「ありがとうございます」
「褒めてねえよ!!」
「先輩…」
……
それから後輩は、そのままソファの上で、甘く、甘く、痒い言葉を吐きながら、俺を抱くのだった。
にゃあにゃあと言ってやたらとこちらを見つめてくる猫の視線に、俺は赤いだろう頬を更に赤に染め抑えきれない声を上げ、瞳をうるうると潤ませ理性をだんだんとなくしていくのだった。
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