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74.襲ってみせます!前編
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ーー
「枷っっ!!お前今日は俺のこと絶対押し倒すなよ!!」
俺は後輩に言った。
「え?何でですか?」
「、何でってつまり、…それは、俺が…お前を…お、し、…押し…」
「ーえ?何って?」
「、だ、だだだだから…っ、つまり、俺が、お前のことっ、おっ、押し、押し倒そうと……!」
「………」
「わ、分かったな…っ?!、分かったな!?押し倒してくんなよ!?絶対に!!」
「…はあ」
「、な、なんだよ、」
「ーいえ」
「な、何だよお前っっ!!」
「楽しみにしときます。でも襲うなら、絶対怯まずに来てくださいよ」
「…ひ、怯まずに……?」
「何かあなたって、エッチに誘うの物凄く下手そうじゃないですか」
「…。…」
「……はあ」
「ー、そ、そんなことないぞ!?ぜ、全然っっ?、ばりばり!?う、ううう上手いに決まってんだろ馬鹿…!」
「へ〜〜〜ぇ。上手いねぇ、へーーえ、へーーえ。」
「な、何だよ…!?」
「まあ頑張ってください。…あなたは急にそういうこと言い出すから、なんと言うか…はあ」
「なんっっなんだよお前…!!」
「夜が楽しみです。ーとっても」
「…、……ま、任せろよ!俺に!!」
「……。」
ーーーーーーーーー
ーー
「先輩、お風呂出ましたー」
「あ、お、おおおおう…っ!まじかっ、へ、へ〜えっ!」
「隣座りますね?」
「…う、うん」
ストン
「あれ?先輩、今日はアイス食べてないんですね」
「…えっ!?…あっ?!、…あ、う、うん、な、何か、き、気分じゃなくてっ、」
「へーえ」
「、う、うん」
「……」
「……」
「先輩、」
「ーーな、なに!!?」
「………。」
「……、」
「俺…、…あっちの部屋行きますけど。良いですか?」
「…、…え、ぁ、え……?」
「良いテレビもないし、疲れたし、自分の部屋行きます」
「………え」
「もう寝ますね。おやすみなさい」
「……あっ、あっっ、あっ」
「ー何ですか?」
「……、…ぁの、……その、」
「……。」
「…え、ええと、…」
「……」
「………眠たい、なら、仕方ない…よな。…うん、…おやすみっ、おやすみ…っ、ゆっくり寝たほうがいいし、うん」
「………」
「…え、………何?」
「…別に。」
「あ、……そ、そう?」
「…おやすみなさい」
「う、うん」
「……。」
ばたん
ーーーーーー
次の日。夜
「先輩、俺そろそろ寝ますね」
「えっっ!」
「何ですか?」
「……あ、…えと、…その」
「……。」
「おっ、おやすみ!」
「あ」
「俺も寝るから!じゃ!」
ばたん
「……………。」
ーー更に次の日。夜
「先輩、俺…」
「う、うんっ、俺も寝るし!俺も寝るし!」
「あ…っ」
「おやすみっ!おやすみ!」
ばたんっ
「………………。」
ーーー
「山野、俺……押し倒し方を忘れたんだ…」
「きっっっっも!」
「ーーきもくてごめんっっ!すみません!!言うと思ったよお前は!!」
「うん。だってお前、まじきもいよ?お前、男だろう。何女になってんだ、しっかりしろよ」
「だって…、俺、倒される側だし…」
「きもいわしね」
「聞いてくれよ…ッッ!」
「つーか何で掘られる側のお前が、いや、間違えた、何で犯される側のお前が、押し倒そうと今更考えてんだよ。いささか疑問だな、実に」
「ーーおい!!何も間違ってない!!後者に言いかえた意味!!前者も嫌だけども!!表現やめろよ!!やめろよ!!」
「で、何なんだ。質問に答えろ。何をお前はまたしでかそうとしてんだよ」
「…。…」
「なに」
「……俺、たまには枷を押し倒してみようかなぁと、思って。」
「…は?」
「い、いやっ、な、なんかっ、俺は、いっつもされる側だし、俺だって色々、倒して、こう、…色々…と、思って、」
「……」
「そ、そのつもりなんだけど、でも、中々、倒せなくて、枷、それで最近イラついてて、そ、そのせいで、約1週間程、そ、そういった行為を、してなくて、だから、多分、怒って、さ、更に俺は怖くて倒せなくなって、一体どうすればいいものかと…思って、」
「……しょーもねー悩み…」
「…え、なに?」
「…。…」
「や、…山野くらいしか、こ、こんな話しできなくて、あ、いや、もう一人夏川さんとかいるんだけど、で、でも、その人も倒される側で、山野しかいなくて、山野は普通に倒す側だし、だから、どうやるのかな、とか、聞こうと…お、おお思って、」
「……。」
「、…」
「…それはお前、…」
「…。」
「自分で今っ!と思ったらいくんだよ」
「…、……い、いま?」
「そう。隙ついてんなー倒せそうだなーと思ったら、とりあえず押し倒せば?別に、基本はベッド誘ってそれからどーのこーのするけどさ、お前、その過程で既に死んでそうだからさ」
「……うん」
「難しく考えんなよ。とにかく、どこでもいいから倒せば?枷にだってぼーっとしてる瞬間あるだろ」
「、…そうかな」
「…知らねえけど」
「うん…」
「ゆずき倒してた時思い出せよ」
「ー、ばっっ、…何てことっっ!」
「だってお前、倒してたんじゃねーの」
「…、…そんな、あんま…してないし、」
「え、そーなの?」
「うん…。…俺、エスコートってやつがちゃんとできなくて」
「まっじかよお前、…ヘタレにも程がある」
「…だって」
「それが原因で振ったんだなーあいつは。ふーん、へーえ」
「っなんっっだよもうッッ!!」
「ーま、頑張れば?お前なりにさ、やってみれば?」
「……、」
「枷と仲良くしてるみたいだし、まあ安心したわ。こんなこと相談されるとは思わなかったが」
「、……あ、ありがとう山野っっ」
「いや、…別に。良いけども」
「じ、じゃあっ、俺、仕事戻るし!」
「…あ、そう?」
「おうっっ」
「じゃ、頑張れな」
「おうっ、サンキュ!」
「………。」
プルルルル、プルルルル
「ーもしもし?何ですか、山野さん?」
「ああ…日野。いや、何かさ、何かさ、…佐山がさ、」
「佐山さん?」
「ああ…。佐山なんだが」
「はい」
「…ちょっと、可愛くなってない?」
「……。ーは?」
「あっいやっ、違うがな?、ホモとかの、ではなく、普通に、ちょっと、キュンってだな…」
「…ああ……ついに山野さんも…そういう方面に…」
「ちがーーーう!だからそういう方面ではないっ!ただ、あいつ健気だから…」
「……俺だって、山野さんの為に毎日料理とか、洗濯とか…アイロンとか、してますよ」
「は…?いや…、それは知ってるけど、」
「ー俺だって、色々頑張ってるのに」
「…、…は?」
「山野さんって、ほんと酷いです。…そうやって佐山さんばっかり、…いっつもいっつも…もういいですよ別に」
「は…?お前、なに急に怒ってんの…?」
「、怒ってなんてない…!!」
「はあ…?」
「……ぁ…、…す…すみません。…大きい声出して、俺……」
「え…?」
「ごめんなさい、…すみません。俺、先輩になんてことを……ごめんなさい、ごめんなさい…」
「…え?…いや、良いけど、別に…」
「…すみません。すみません、すみません、本当に」
「え、いや」
「……」
「…じゃなくて、何で……怒んの?」
「…すみません。俺、勝手なこと言ってしまって」
「いや、だからそうじゃなくてさ、何でいま」
「ーごめんなさい。俺、仕事あるから。」
「…は?」
「すみませんでした、失礼します」
「…何なんだよお前、全然意味わかんー」
ツー、ツー、ツー
「……何…?、……何で怒んの…?……わっけわかんね…」
………。
ーーーー
ー
「先輩、お風呂出ました」
後輩は、いつも通りそう言って、リビングに姿を現した。
濡れた髪と、胸元から見える肌がとても、とてもとても…ぃ、いいい色っぽい……
つーか、ただのスウェット着てるだけで、何でこんなに決まるんだよこやつ…!?くっっっそむかつく!!まじむかつく…!今更なんだけどさッ!今更だけどもさ…!
俺だってそーゆーの憧れてたよ!別に何もしてねーよ?だけどかっこいい!みたいなさ、そんなのすげー憧れてたよ…!?
だって何かもう無敵じゃんそれ…!?
それがまさかさ、その憧れてた奴が恋人になるなんてさ、なんつー複雑な心境だと思うよ、…好きなのにこう…羨んでる自分何なんだよまじ、俺まじ醜い奴みたいになんじゃんか、何だよこの、何だよこの、何だよこの…この、この…
「はあ、喉乾いたー」
ードキ
後輩は言って、スタスタと冷蔵庫前まで歩くと、ミネラルウォーターを口にする。
ゴクゴクと動く喉仏から視線が離せず、思わず食い入るように見つめてしまう俺。
…つ、つか……や、やっぱ…か、かっこいいよな……こ、こいつ……
あ…手とか、骨の感じが……うわ、こうして遠目に見ると、まじ足なっげー……
……、…い、良いなー…
色白いしさ、背もあってさ、頭も良いしさ、全然動じないしさ、料理もできちまうし、もうお前ほんと何なのって感じだよこっちは…。
俺は別にそんな何でもないのに、つか仕事くらいしかできないのに、無駄にひっついてきてさ、…それで、すぐちゅーするし、すぐ触ってくるし、変なこと言ってくるし、でもなんだかんだ優しいから許してしまうというか…
…、…な、なんだかんだ言ってもさっ、ち、ちょっと、ご、強引なとことか?うん、…べ、別に好きだし?…す、好き好きって言ってくるとことか?う、うん、普通に、可愛いなとか、思ってるしっっ俺だって色々……っ!
……だ、だからさ…俺も、こ、後輩になんかしたいとか、…お、俺だって、……触ったりとか、……こ、こっちから?…た、たまには、やっ、やってみたい…とか、そゆこと、思ったりしてさっ、でも、だけど、だって、…どうすればいいか分かんなくてさ、山野は、どこでもいいから押し倒せばとか言うけど、だって、そんな、…だって、だって…ど、どうすれば…どの、瞬間に、だっ、だって、倒して、け、怪我させたら、ほら…ヤバいだろ、だから、だから……だ…から……
ーーって、あ、冷蔵庫にペットボトルしまったっぽい。あ、こっちに来る…っ、…こっちに来る…っっ!
どうしよう、どうしよう…どうしよう!
「先輩、どうせ今日も何もアクション起こさないんですよね?」
ー。
「え……」
え、え、え…?
……何で……そんな、明らかに…怒って……しかもそんな…直球で……そんな……
「じゃ、俺は今日も早々と寝、ま、す、か、ら」
「え、え、?」
「さようなら。おやすみなさい。先輩」
「…え、あ、あ、あっ」
ーなになになになになに……っ?
え、え、え、え、え、
どうしよう、怒ってる、怒ってるっ、怒ってる…!完璧怒ってるって…!
こ、これは、これは、どうすれば…っ、こ、このまま部屋に行かせるのは、やっ、やっぱりまずいんじゃ、…今日こそはもう、倒さないと、いや、呼び止めないと、流石にまずいんじゃ、まずいんじゃ、まずいんじゃーーっっ……!
ぐいっ!
「まっっ、……まままま待って!!」
……
「…何ですか?」
すると後輩は、服の裾を掴む俺のほうをゆっくりと振り返った。
背の高い後輩だから、俺はその後輩の顔を少し見上げる形になるのだけれど。
「……、…あ、……あの…」
ーじっと真っ直ぐこちらを見つめてくる後輩の視線に俺はすぐ目をそらし、下を向きながら口を開く。
目線をどこに合わせれば良いのかが分からず、瞳が必要以上にゆらゆらと揺れ、ドキドキとしてしまう。
あーも…情けなさ過ぎる……俺…
俺はどっかの中学生かって…
…言っちまえ自分、言っちゃえよ自分、…俺は男、俺は男……俺は、男…
ー
「……あ、ああの…っ!」
「…」
「…、…おっ、おおおおお俺とっ、…俺とっ……!」
「……」
「えっ、……えええええぇええええええ、え、え、えっ」
「…はい?」
「………その、……だから、…つまり、…えっっ、ーーえええええええっち!!」
「…えっち?」
「……、っ」
「…それで?」
「……ぁ………ぅ……その……し、…し、ししししません、……か?」
「……。」
「……ぁ、ーそ、そそそれで、ぁ、ああのっっ…!」
「はい」
「…、……あ、あの…、…お、押し倒して……も、……いっ、いいい良いです、…か?」
「…」
「……だ、駄目…ですか?……」
「ーいいえ?」
「……ぁ、あ……、…ど、…どうも」
「いいえ?」
「……、…ぁ………」
「……ベッド、…連れてってくれないんですか…?」
「……あっ、…っえ、…ぇと、ぁ…」
「……」
「、あ、はい……。…つっ、つ連れて…行き…ます…、…」
ぐい…
「……先輩。……」
「………」
「……耳、真っ赤…」
「…〜〜」
ーードクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクン
ガチャ…
「……」
「…倒さないの?」
「……。…すみません」
「まったく先輩は…さっき押し倒して良いですか?って聞いたあれは何。自分から倒れろって?」
「…い、意識したら、ぜっ、全然、…た、倒せなくなって……っっ」
「……はあ」
「、ご、ごごごごめんっっ」
「ー分かりました…。寝っころがります。それで良いですね?」
「、う、うん…」
ギシ…
「ーーさ、先輩。これで良いんでしょう?早く襲ってみてください?」
「〜〜」
ーー俺は、後輩の仰向けに倒れる体の上に恐る恐る跨った。
(*´艸`)
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