アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
繰り返す
-
何度、同じことを繰り返せば気がすむのだろう。
アイツも、俺も。
泥沼に沈んでいくような虚しさに、心を削られている。
それなのに、離れられないのは何故だろう。
初めての相手だからか、それともまだ愛情が燻っているとでもいうのか、ただの執着心のためか。
あれだけ、苦しんだのにそれでも傍ににいることを望んでしまったため、今更引き返すことができないだけなのか。
この手を掴んだのはアイツだから、離すのもアイツなのだ、とこの期に及んで、まだ他人任せの甘い考えの自分に嫌気が差す。
つい、半月前に
『もう、浮気はしねえよ、オレにはやっぱりお前が一番だ』
と言って笑った顔が頭をよぎる。
あの時も、今もまだ信じているというのだろうか。
だとすれば、どうやっても救われない大馬鹿者だ、俺は。
───目の前の、扉1枚を挟んだ向こう側で、俺の彼氏は、今まさに他のやつを抱いている。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1 / 259