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“K”
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少し離れているらしく、タクシーで移動する。
15分ほど車が走って着いたところは、落ち着いた雰囲気のバーだった。
綺麗な飾り文字で、“K”と浮き彫りになるデザインの看板が目に入った。
この前の女の子が言っていたのは、ここのことだったのか。彼女の雰囲気からクラブとかなのかと思っていたので、少し意外だった。
「ココ、オレの高校のセンパイがやってるんだ。静かだし、あんまりいろんな奴来ないから」
確かに目立つ場所にあるわけじゃないが、この前の彼女は来るんだろ?とあまり納得できないままでいると、それが伝わったのか、ちゃんと説明してくれた。
「この前の女が言ってたのは、同じセンパイがオーナーのクラブ。ここは、オレは誰もつれてきたことないし、センパイも客選んでるから、うるさいのはいないよ」
こういうことに疎いので、そんなこともあるのかと、納得する。
アキラの言葉に舞い上がって、それどころではないというのが、正しかった。
『誰もつれてきたことない』その言葉の破壊力を、アキラは知っているのだろうか。俺だけ、と言われることが、こんなに嬉しい言葉だなんて知らなかった。
俺は完全にのぼせた状態で、アキラに引き寄せられるまま、肩を抱かれ店内へと入っていった。
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