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泣かす
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ケイさんへの挨拶もそこそこに、Kを出て10分。歩いても帰れる距離だというのに、さっさとタクシーを捕まえて、俺を押し込んだアキラに何も言えず、ただ黙って従う。
マンションのエントランスに着いても、アキラは喋らず、俺は顔色を窺うのに必死だった。
怒ってるのは、わかるけど、そもそもアキラが俺を一人にしたんじゃないか。
そう言ってやりたかったが、やっぱり口には出せなかった。
アキラは無言のままで鍵を開け、またしても俺を玄関の中へ押し込む。
そのまま、腕を掴まれ、風呂場へ連れていかれる。
てっきり、すぐにベッドに連れていかれると思って身構えていたのに。
アキラの意図がわからず戸惑っていると、まだ低い声のアキラが吐き捨てるように、
「とりあえず触られたとこ、キレイにしてきて。その匂いもしっかり落として」
俺は気付かなかったが、神林の香水かなにかの移り香が付いていたらしい。
それほど、近くに寄られたのかと改めてゾッとした。
早く流してしまいたくて、シャワーが熱くなる前に、浴び始める。冷たい水が体を刺すようだったが、酔った体にはちょうどいいようにも思えた。
しっかりと身体中を洗い流し、シャワーで少し温もった。
体はスッキリとしたが、今から始まることを考えると、心は重い。
アキラはリビングではなく、自分の部屋にいるようだ。自分から行かなければ、きっとアキラの機嫌はますます悪くなるだろう。
一応、ノックをすると先程よりは低くない声が響く。
「入って」
恐る恐る、中に入る。アキラはベッドに腰かけていて、初めての時を思い出した。
「こっち、来るデショ?」
見とれるほど、カッコいい笑顔にフラフラと引き寄せられるまま、気付けばアキラの下にいた。
「覚悟、してるよね?」
そんなもの、できていないが頷く。
「いい子。・・・でも、泣かすから、朝まで」
その言葉だけですでに泣きそうだ。
風呂上がり、 アキラの好みでバスローブ1枚だった俺は、あっという間に裸に剥かれる。
恥ずかしさから、顔を隠そうとするが、バスローブの紐であっさりと両手を上に固定されてしまう。
「お願いッ、電気消してぇっ」
せめて、と懇願するがあっさり拒否される。
「だぁめ、泣かすって言ったろ。今日は、オレのしたいこと、全部スルから」
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