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オレの体の奥深くで、羽部さんの一部がびくびくと跳ねて、射精したって分かった。
耳元に低い唸り声を聞いて、それがたまらなく色っぽい。
もう何度目か分かんないキスを貰う。
舌を絡めながら、ゆるゆると腰を動かされ、「ん、んっ」と喘がされる。
ああ、まだ続けるんだ。そう気付いたのは、繋がったまま抱き起されてからだ。
オレだって一応、現役だし。そんなに細くて軽いって訳じゃないのに、そのオレを軽々と抱き起こす、羽部さんは力強いなぁって思う。
けど、そんなこと考えてる余裕は、一瞬で吹き飛んだ。下から深く串刺しにされて。
「ふっ、あああっ」
悲鳴を上げてのけ反ると、面白そうに笑われた。
「イイ声。燃える」
って。それは、誉められてると思っていいのかな?
温かい大きな手のひらで、背中や腰を撫でられる。耳たぶを甘噛みされ、耳の中に舌を入れられると、びくっと震えた。
たったそれだけで、中のモノの存在感がぐっと増して、「あっ」と息を詰める。
そんなオレに、羽部さんは機嫌良さそうだった。
「ホント感度いーな」
ぎゅーっと強く抱き締められると、それだけで気持ちイイ。
ただ……動かないでいられると、また塗り込められたローションのかゆみが、じわじわとぶり返して来るみたい、だ。
どうしよう、って少し焦りながら、もぞっと腰を揺らす。かゆくて。かゆくてたまんなくて、それをどうにかしたかった。
けど、それすらも羽部さんの計算通りだったみたい。
「欲しくてたまんねーんだろ?」
なぶるように言われて、ちゅっと軽くキスされる。
戯れに揺らされると、こすられて気持ちイイ。でも、それはすぐになくなって、またじわじわとかゆみがよみがえる。
「は……」
はべさん、と頭の中で呼び掛けて、太い首に縋り付く。そんだけで、言いたいことは分かったみたい。
「欲しいか?」
低く掠れた声で、こそっと訊かれる。
恥ずかしくて真っ赤になりながら、こくんと小さくうなずくと、「じゃあ動いて」って言われた。
「こうやって」
腰を強く掴まれて、ぐっと引き上げられ、引き降ろされる。
「あっ……」
気持ちイイ。固く太いモノでこすられて、もっと、って思ってしまう。恥ずかしさより気持ちよさの方が上で、そのまま動くのをやめられない。
「ん、はぁ……っ」
ぎこちなく体を上下させ、羽部さんの首元にぎゅっと抱き付くと、ふふっと笑われた。
「お前、可愛いな」
間近で整った顔に見つめられ、じわっと顔が熱くなる。
羽部さんは格好いいです、って、言いたくても言えない。「羽部さん」じゃないなら、何て呼べばいいのかも分かんなく、て。
好き、って言うのも違う気がして。
結局何も言えず、はふはふと口を開けてると、その口を唇で塞がれた。強引に舌をねじ込まれ、「んっ」と喘ぐ。
視界が再びぐるんと回ったのは、次の瞬間だった。
「わっ」
キスを解いて悲鳴を上げ、ドサッとソファに押し倒される。
下半身は繋がったままで。もっかい唇を塞がれて、舌をねじ込まれながら揺すられる。
さっきはゆっくりから始まったのに、最初から激しい。
両手足がバラバラと跳ねる。
「んむっ、む、んんんーっ、あっ」
唇が離されると、後はもう喘ぐしかできない。
「あっ、うあっ、ああああーっ」
善がり声が、大音量の音楽に溶け込む。
組み伏せられて、激しく揺さぶられて、身動きもとれなかった。
征服されて幸せ。
周りの人なんて、もうとっくに意識の外で。
有名なプロの1軍選手じゃなくて、オレもプロを目指す学生じゃなくて、名前も肩書も全部忘れて――ただ、出会ったばかりの男と2人、抱き合ってキスして、気持ちよくなった。
ロッカーに備え付けのシャワールームを出た後も、ぼうっとして動けなかった。
全身が高揚してて、ふわふわと雲の上を歩いてるみたい。
元通りに服を着ると、長い夢を見てたんじゃないかと思えてくる。
ただ、夢じゃない証拠に、身体には甘い余韻が残ってた。
ガンガンに突き込まれ、揺さぶられたせいで、背中や腰の筋肉が痛い。けど、それすらも甘く感じてるんだから、溺れてるってことなの、かも。
無意識に羽部さんの姿を探したけど、早くに店を出ちゃったのか、もう見かけることはできなかった。
地下倉庫から一気に人が出たらおかしいからか、退店時間はバラバラだった。
暗黙の了解とか、あるのかな?
オレと先輩は最後の方で、でもすぐには動けそうになかったから、正直なところ、助かった。
「どうだった? いい体験できただろ?」
帰り道、OBさんに得意げに言われて、オレは「は、い」ってうなずいた。
「分かってると思うけど、ここでの事は、他言無用な」
「……はい」
言われるまでもなく分かってたから、それにも素直にうなずいた。
OBさんは「忘れろ」とは言わなかったけど、忘れなきゃいけないのも分かってた。
お揃いのガウンを脱ぎ、店を1歩出てしまうと、もう仲間でも何でもなくて。あんだけ近くにいた羽部さんが、今はひどく遠い。
大きな手、長い指、温かい肌、たくましい体……響きのいい低い声。
甘い吐息も、肉厚の舌も、「可愛いな」って言われたことも、まだ全部覚えてて。刻み込まれてしまってて、きっと一生、忘れられそうにない。
体にも心にも、大きな穴を開けられた気がする。
切ない余韻がじわじわと来て、全身が羽部さんを求めてる。
でも、もうきっと2度と抱いて貰うことはかなわなくて――それを思うと、辛かった。
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