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肩を抱かれ、ベッドサイドまで連れて行かれて、サッと荷物を奪われる。
オレのスポーツバッグをクローゼットの横に置いて、羽部さんが「やっとだな」って言った。
前に会ってからまだ4日、あの店で会ってからだって、まだ2週間しか経ってない、のに。
「待ちかねたぞ、三滝」
そう言って、オレをぎゅっと抱き締めた。
今日はサングラスをかけてなくて、垂れ目がちの真っ黒な目が、熱っぽくオレを見てるのが分かる。
オレはどぎまぎして顔を逸らしながら、気になってたことを訊いた。この間は、再会に浮かれて気が付かなかったけど。
「あの、オレの名前……どうして?」
確かあの店では、名乗らなかった、よね?
試合の結果なんかは、たまにニュースで取り上げられることもあるけど、オレはそんな、有名選手って訳じゃないし……。
「ああ、お前の名前? なんで分かったか、って?」
うなずくと、羽部さんはふふっと笑って、「調べたに決まってんだろ」って言った。
「野球部のOBがどうとか言ってただろ? だから、大学野球のホームページ、片っ端からチェックした」
大変だったんだぜ、って言葉を聞きながら、顔を上げさせられてキスされる。肉厚の舌が遠慮なく唇を割って入り、オレの舌をべろりと舐めた。
甘い吐息も、甘い唾液も、その強引な舌の動きも記憶にある通りで、じわっと体温が上がって行く。
「ホーム、ページ……っ」
上ずった声で呟くと、「あるだろ」って言葉が返る。Tシャツの裾から背中に手を差し込まれ、肌を直接撫でられる。
確かに羽部さんの言う通り、他の大学と同様、うちの野球部にもサイトがある。
試合の結果やスケジュール予定、合宿所の住所や、食事メニューなんかも載ってたりする。
選手の顔写真はポジションごとに載ってて、クリックするとプレイ中の全身写真とか、プロフィールも出るんだけど……あれを見られたのかな? そう思うと、すごく恥ずかしい。
オレのシャツを脱がしながら、羽部さんが耳元で言った。
「顔赤ぇぞ」
そう言われると、ますます顔が熱くなる。
ベッドに押し倒されて、上から顔を覗き込まれると、余計に恥ずかしい。
前から知ってたけど、やっぱり明るいトコで見ると、ホントに格好いいと思う。
その整った顔がゆっくりと寄せられて、唇が重ねられる。
裸の胸を温かい手で押し撫でられて、羽部さんが熱っぽく言った。
「キレーな体だな」
「恥ずかしい、です」
思わず言い返すと、「なにが?」って楽しそうに訊かれた。
「裸がか? それともこの体勢? それともプロフ欄の好きな選手に、オレの名前を書いてるとこか?」
羽部さんは機嫌良さそうに笑って、オレの胸をべろっと舐めた。
「あんなこと書かれたら、そりゃ会いに来なきゃいけねーよな」
やっぱり見られたんだ、と思ったけど、もういっぱいいっぱいで喋ることもできない。ゆるく首を振って、快感を逃がす。
「あれ書いたの、オレに会う前? それとも後?」
くりくりと乳首を転がされながら訊かれて、「前、ですっ」って答えるので限界だった。
はっ、と息を詰めると、さらにくくっと笑われる。
「相変わらず感度いーじゃん」
ズボンの上から股間を撫でられ、ふっと笑われたのも恥ずかしい。羽部さんは何が恥ずかしいのかって訊いたけど、何もかもが恥ずかしい。
ベルトを外され、下着ごとズボンを脱がされると、はしたなく勃起してるのが丸見えになる。
「これからもっと、恥ずかしいコトするんだろ?」
羽部さんがそう言って、サイドテーブルの上から水色のボトルを取り出した。
あの店にあった赤いのじゃないけど、ローションだ、ってすぐに分かって、頬がカッと熱くなった。
「もっと恥ずかしいコト」って、羽部さんの言う通りだ。脚を割り裂かれて、全部丸見えにされて、前にもされた事なのに、恥ずかしくてたまらない。
あの店独特の、妙な雰囲気がないから? それとも明るさのせい?
媚薬がないから、かな?
ローションを絡めた太い指が、そっと穴の入り口を撫でた後、ゆっくり中に入って来た。
覚えのある異物感に、息を詰める。
「三滝……」
羽部さんが、低く掠れた声でオレを呼びながら、空いてる方の手で太ももを撫で回した。べろりとヒザ頭を舐められ、肉厚の舌を意識する。
初めての時は、羽部さん、もっと余裕だったのに。
「はーっ、スゲェ挿れてぇ」
熱い息を吐きながら、性急に指を増やしていく。求められてるって気がして、ドキドキが止まらない。
片足をぐいっと押され、ヒザ頭から太股へと舌が這わされて、びくんと腰が揺れた。
増やされた指の動きも、入り口を拡げられる感覚も、すごく生々しい。
夢じゃない。
「ワリー、もう我慢できねぇ」
羽部さんの声と共に、指が抜かれた。
んっ、と息を詰めながら目をやると、彼はバスローブの紐を解いてて。オレと目を合わせ、ニヤッと男っぽく笑いながら、バッとそれを脱ぎ捨てた。
初めて見る裸。プロのアスリートにふさわしい、たくましい身体が現れて、格好よくて、眩しい。
大きな手がオレのヒザを押し開き、入り口に固く熱いモノが当てられる。
「あっ!」
貫かれる、っていう予兆に我慢できなくて叫ぶと、直後、ソレがぐぐっと挿って来た。
「キツ……」
熱っぽい低い声。
でも静かに聴いてられない。貫かれる衝撃に悲鳴が上がる。
「んんっ、あああああーっ」
目を閉じて身を丸めると、さらに奥まで穿たれた。
「うあっ」
押し出されるように射精したけど、もう汚れを気にする服は着てない。裸の腕の中に、ぎゅっと抱き締められる。
「挿ったぞ」
耳元に同じ言葉を囁かれ、目を開けると、精悍な整った顔が間近にあった。
唇を重ねながら、ゆっくりと揺らされる。
「う、んんっ、んあっ、ああっ」
大きなストロークで抜き差しを始められ、太く熱いもので粘膜をこすられる。
体中が喜んでんの分かる。気持ちイイ。
特製の赤いローションじゃないのに、揺すられるたびに熱くなって、溶けてしまいそう。もっと欲しい。
「羽部さん……」
裸の背中に手を回すと、素晴らしい筋肉がしっかり分かった。
男らしくて魅力的で、どうしよう、くらくらする。でも夢じゃない。ホントに今、この人に抱かれてる。
「やっぱ善いなお前」
羽部さんがそう言いながら、オレの胸元に吸い付いた。ちりっと小さな刺激の後、唇を離して、満足そうに笑ってる。
「前ん時はあそこの方針で、キスマークは付けらんなかったけど。今日は遠慮なく、所有印、付けさせて貰うぞ。もうオレのモノだ、いいな?」
そんな勝手なセリフに、ビリッと電流が走る。
オレのモノ、って。そう言われただけで、嬉しくて幸せ。
もう行きずりじゃない、ってこと、だよね?
うわずった声で「はいっ」って答えたら、ご褒美みたいにキスされた。上も下も繋がって、揺らされてこすられて、無茶苦茶気持ちイイ。
んっ、んっ、とキスの合間にも声が漏れる。
羽部さんが好きだ。
キスの後も、端正な目がじっとオレを見つめてる。
「もうお前以外、抱けそうにねぇ。病み付きにさせた責任は、取って貰う、ぞっ!」
同時にズンッと強く突かれて、「ああっ」と思わずのけぞった。温かな胸に抱きくるめられて、ズンズンと突かれる。
激しい揺さぶりに喘ぎっぱなしにされて、じきに酸素が足らなくなる。
深呼吸できない。
「はべさん、羽部さんっ」
前は許されなかった名前を呼ぶと、ぎゅっと強く抱き締められた。
あっ、うっ、と喘ぎ声が止まらない。
気持ちイイ。
「好きだぜ」
羽部さんが、目を合わせてしっかりと言った。
前の時には貰えなかった言葉。
それは、行きずりじゃないって証拠で――。
「オレもっ」
彼の背に縋り付き、応えながら、嬉しくてちょっと涙が出た。
(完)
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