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「キミ.今夜ヒマなの?」
終電を逃して駅のホームでため息をついた男に声を掛けた影が一つ。
うろんな目線を向ける男にアハッと影は笑う。両手を広げて。
「うち、来なよ」
学校で何回か見掛けた顔だった。色素の薄い容姿、特徴のあるモスグリーンのコート、名前も覚えていた。
「…狛枝?」
おや、という顔で彼は笑った。予備学科ごときが自分を知ってるとは。
「………日向クンだよね?」
一拍置いて返してやると、日向はパッと顔を上げてこちらを見た。
最近本科をウロウロしている予備学科が狛枝の目に留まらない理由はない。知人のツテを頼って名前を調べ上げ、詳細ではないにしろ大方のことは知識として仕入れていた。
その表情は戸惑いを現している。ほくそ笑みながら、その肩に手を掛ける。
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