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眠った顔は青白く、色素の薄い長い睫毛が目縁を彩っている。柔らかく動く胸元だけが、彼の生命を現している。
帰ろう。
唐突に思った。
もう始発は出てるにちがいない。泊めて貰ったのはありがたいが、何故抱かれる必要があったのかはわからない。
おとこ一人ネカフェなりなんなりで夜を明かす覚悟はあった。
何故、本科生にホイホイついて来てしまったのか。
眠る狛枝を起こさないように、ゆっくりとベッドを抜け出し服を着る。
何か書き置きを残したらいいのか、なけなしの金銭を置いたほうがいいのか考え過ぎてわからなくなったので、あきらめてそのまま立ち上がった。
ドアに手を掛けたところで、振り向いた。
「…帰るの?」
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