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ポストを開けると入っていたのは
クローバーと花、だった。
クローバーは道端でよく目にしたが、花の方は見たことがなかった。
どこかから折ってきたんだろう、枝に飴細工みたいな黄色の花がポンポンみたいにくっついている。遠くから見たらイガ栗みたいだ。
今まで花なんて一欠片の興味もなく、手に取ったそれも初めて見るものだったが、なんとなく、前にも似たような事があったような気がした。
……なんで? 見舞い?
でもあいつ、今朝の時点で俺が休むの知らないだろ
それにしても見舞いでクローバーって持ってくんの?
脳内が「?」で埋め尽くされる。
二日連続で置いて行かれたと思ってその腹いせに嫌がらせで泥でも詰められてるんじゃないか、なんてちょっと考えてたから、入ってたのが花だけっていうのがすぐには信じられないでいた。他になにか仕掛けでもあるのか、と思ってポストの外側や周辺を調べてみたが特に怪しいものはなく、ポストの奥の方からメッセージカードを一枚見つけただけだった。
そこにはただ一言、『ダンコウバイ』とだけ書かれていた。
知識は疎くても一緒に入っていた花の名前だろうことはわかった。
──クローバーとダンコウバイ
これになにか意味があるのだろうか?
でも、あいつがわざわざ置いてったってことはなにかしら理由があるはずなんだ…
しかしいくら考えたところで答えらしきものは見つからなかった。
「……これ以上、俺の中に入って来ないでくれよ…」
玄関の扉に背を預けずるずると頭を垂れた。
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