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告白
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「だから、昨日から『かお、かお』ってうっせーんだよ!!」
「──だッッ!!!」
いつまで経っても聞き入れないもんだから、我慢していたものが腹の底から一気に沸き上がってきて
いやいやと首を振るそいつに頭突きをお見舞いしてやった。
ゴッ──!
という音とともに後ろにひっくり返る。
形勢逆転とばかりに今度は俺がそいつの上に跨った。なにされるかわからないから、とりあえず話が終わるまでは手の拘束は解いてやらない。
「──いっ……たぁぁ……!」
「…はっ、ざまぁみろよ」
なんて強がってる俺も、勢いに任せてぶつけたもんだからかなり痛い。脳みそに響いてグラグラする。
それは相手も同じみたいで、お互いに涙目になりながら痛みに耐える。
「くっ…乱暴」
「こうでもしなきゃ聞かなかっただろ。お前」
「……………」
「いいか。今、お前の目の前にいるのは"かおさん"じゃねぇ、俺だ。
だから、今だけでもいい。俺だけを見ろよ」
「な、なにっ…」
拘束する手に力が入り、ギリ、と手首を締めつけた。握る力が強かったのか少しだけ顔をしかめる。
下から俺を見上げるそいつの顔は驚きと不安が混ざったような複雑な表情だった。
「いいから…名前、呼べよ………
…………汐音」
今度は自然とその名が出た。
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