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汐音の家を離れ、学校方面に帰るのに一番早い電車に乗った。
ただでさえ田舎の方なのに、ここは更に利用者が少なく運行本数がかなり少ない。
一番早い電車といっても、駅に着いてから一時間も待った。
時計を見ると針は既に13時を指していた。
さっき見た時から5分くらいしか経ってない…
気持ちばかりが先走って時が過ぎるのがやけに遅い。
焦りだけが積もっていく。
『きっと照くんは迎えに来てくれることを望んでる』
あの人の言葉が、少しだけ寂しそうな顔が、まだ耳や脳裏に焼き付いて残っている。
例えそうでなかったとしても、俺はお前を迎えに行く。
お前に会えるまで探してやる。
誰よりも、なによりも、お前を選ぶよ。
「頼む……、届いてくれ……」
電車はトンネルに入った。
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