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目醒め
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静かな教室にガタンッ!!と椅子が倒れそうなほど大きな音が響いた。
途端にその音の根源である俺へと視線が集まる。
「…ぁ……」
「どうした菅野? 突然立ち上がって」
「…いや、すいません。なんでもない、です…」
「もしかしてまた寝てたのかー?」なんて先生の一言に、控えめながらもクスクスと笑い声が聞こえてくる。
「課題考査が終わったからって気を抜くんじゃないぞ。とりあえず、残りの5分くらいは集中して聞いてくれよー」
「……………」
「菅野、返事」
「あ…はい」
「じゃあ座ってよし」
……今まで寝てた、のか……?
寝起きのせいかボーッとする頭をわしゃわしゃと掻き混ぜた。
…おかしいな 最近はちゃんと寝れてる方だったのに
若干薄くなった目の下の隈に指を這わした。
覚醒し切っていない脳は未だ夢見心地で、体がふわふわと浮いたような錯覚に陥る。
なんか、変な感じだ…
とてつもなく長い夢を見ていた気がして──だけどそれはとてもリアルで──夢だったと言い切るにはあまりにも生々しく残る感覚に少しの吐き気を覚えた。
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