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お互い様
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「おはよ、遅かったじゃん」
扉を開き、教室に入れば涼しい顔をした蓮斗が爽やかな笑顔で出迎えてくれた。
他に人影はない。
どうやら今の時間は移動教室らしく、蓮斗はサボりのようだ。
浮かべたその笑顔な女子がヨダレ垂らして喜びそうないい笑顔だったが、こちらと不快になるばかりで。
「誰のせいだと思ってんだよ」
「えー?俺のせい?」
「そうに決まってんだろ」
蓮斗の前を通り、自分の席へとつけばつられるようにして蓮斗は俺の席へやってくる。
そして、空いている前の席に腰をかけた。
「心外だなー。だって、晶だってなかなか離してくれなかったんだよ?あんなに締め付けられて抜けって方が…」
「うわ、ばかばかばか!」
「んっ!」
当たり前のようにとんでもないことを言い出す蓮斗に慌てて俺はその余計なことしか言わない口を塞ぐ。
辺りに人がいないのをもう一度確認し、蓮斗の口から手を離そうとした時。
手首を掴まれ、そのまま指に舌を這わされる。
「っぁ、ちょ……っ」
にゅるりとした濡れた舌が指の付け根から先端まで、唾液を絡めるように皮膚を這いずった。
まるで性器に愛撫でもしてるみたいで、視覚的なセクハラに俺は動けなくなる。
「んっ、ぅ……っ」
ただ、指を舐められてるだけ。
そう、思い込むには舌の動きが卑猥すぎた。
目をぎゅっと瞑り、早く蓮斗がこの戯れに飽きるのを祈っていたが、どうやら逆効果だったらしい。
「晶、エロすぎ」
はぁ、と息を吐き、蓮斗は指先にキスをする。
ちゅっ、ちゅっと、指先から手の甲、手首へと唇でなぞられれば、その柔らかな唇の感触に触れた箇所がずくんずくんと熱くなって。
自然と、体が熱くなっていくのがわかり、それが恥ずかしくて更に顔が赤くなる。
「すっかり感じやすくなっちゃって」
笑いながら、俺の手の甲に唇を寄せた蓮斗は浮き出た筋をなぞるように舌を這わせた。
「っ、ん」と小さく身動ぎをすれば、蓮斗は更に笑みを深くする。
「あんま、学校で可愛い顔すんのやめてくんない?ほんと、俺、こう見えて我慢してんだから」
どこの口がものを言うのだろうか。
こいつの軽口にはいつも驚かされる。
まるで人が淫乱だとでも言うかのような蓮斗の口振りに俺はむっと蓮斗を睨んだ。
「お前がっ、妙な舐め方するから…っ」
「俺のせい?」
「お…………お前が、俺をこんな風にしたんだろ……」
蓮斗はずるい、わざわざこんな事言わせるなんて。
そして、俺がそう答えるとわかってて言ってるのだと理解できただけに、更に歯痒くて。
それでも完全に蓮斗を憎むことはできなかった。
「ん、そだね」
そう、満足そうに蓮斗が微笑んだ時。
腰に手を回され、そのまま抱き寄せられた。
「っ、ちょ、蓮斗」
「トイレ」
首筋に顔を埋め、甘えるように擦り寄ってくる蓮斗は俺を上目で見上げた。
密着した下半身に、ごりっと嫌に硬い感触が当たる。
まさか、と凍りつく俺とは対照的に頬を赤らめた蓮斗。
「行かねえ?…勃っちゃった」
「っ!!ッ、さ、最悪…っ!」
そう真っ赤になりながら怒鳴れば、「お互い様」とにやりと笑う蓮斗に首筋を舐められた。
がっちりと掴まれた腰の腕は離れない。
どうやら、逃がす気はないようだ。
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