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僕が出会ったのは。
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桜が舞う季節。
僕は高校一年生になった。
ここは工業高校。
男女の割合は8:2で男子が圧倒的に多い。
よってなんだか、春だというのにむさ苦しい…
それなのにつまらない校長先生の話は、ぼーっとしてくる。
すると隣の席に座っていた爽やか系の男子にひっそり声をかけられた。
「なんでこんなにつまんないんだろうな…」
眉と口の端がすごく下がっていて、なんだか面白い顔に見えてきて笑って答える。
「ふっ、ほんとにね。」
「名前なんて言うんだ?」
「清水 藍(しみず らん)だよ、君は?」
「俺は佐千原 大輝(さちはら だいき)藍、よろしく!」
そういって笑顔で手を差し伸べてくる、呼び捨てにされたけど、不思議と嫌な気はしなかった。
僕も笑って、握手をする。
「よろしくね、大輝くん。」
「おうっ!」
大輝くんは身長が高くて、短かめ黒髪、いつも笑顔で親しみやすい。
おまけに顔も整ってるから、モテるんだろうなあと、心の中で思う。
大輝くんと話すのは楽しくて、入学式はあっという間に終わる。
僕たちは教室に入って、指定された席に着く。
出席番号順だから、大輝くんは僕の前の席だった。
周りはなんだかざわざわきらきらしていて、皆友達作りに夢中だ。
僕は友達を作るのは苦手だから、大輝くんが話しかけてくれてほんとに助かった。
「担任どんな奴だろうな?」
「変な人じゃなきゃ誰でもいいよ笑」
「ははっ!確かにっ」
ガラガラッとドアが開いて、
コツコツと教室にスーツを着た男の人が入ってきた。
「はーい、静かにー、席ついて下さいねー、このクラスの担任になりました、藤原 碧(ふじわら あおい)です。一年間よろしくね。」
そういってニコッと笑った藤原先生。
なんだか、眼鏡の奥の目が笑っていないように思えるのは僕だけだろうか。
藤原先生はそのまま話を続ける。
「ちなみに、担当教科は化学です。何か質問はありますか?」
はーい!と元気よくクラスの女子が手を挙げる。
「彼女とかはいますかー?」
「いえ、いません、残念ながら独身です。」
そう言って困ったように笑う。
「きゃー!そうなんですかー!」
女子達が口々に嬉しそうな声をあげる。
確かに先生はかっこいいと思う、サラサラの黒髪は少し長くて、黒縁眼鏡もよく似合っている。細身で高身長なのに、ひょろっとはしてない。低身長でひょろひょろな僕にとっては羨ましい限りだ。少し分けてくれないだろうか。
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