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再会
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「みーつけた」
木製の細工がされた白い扉を開けたその先に、彼が探していた人物がいた。
広い空間を埋め尽くすような本棚と本に囲まれた場所に、眉を寄せながら歩み寄る。
「あるじ様はこんなとこにいて息がつまらないのかね」
肩をすくめながら近付いてくる男に、二つの目が大きく見開かれた。
「シザー…?」
「お久しぶりです、エリック様」
うやうやしく、まるで手本のような礼儀正しいお辞儀をする。
「………なーんちゃって」
しかし目が合った瞬間、途端にべろりと舌を出しおどけて見せるその様は、何度も見たことがあるエリックでさえ戸惑う程の変わりようで。
久々ということも手伝い、困惑の色を顔に思わず出した程だ。
それがシザーの興奮材料になった事に当事者は気づかない。
「帰って…たのか?」
「ああ、ついさっきな。リチャードにも会ったぜ。あるじ様もあいつも見たとこ変わらずで何よりだ」
「そっちこそ相変わらずそうで何よりだ」
ほんの少しだけ嫌味を返すと薄い口の端がにぃとつり上がった。
「ここに用があるなら退室するけど」
「は!俺がこんなとこに用があると本気で思うのか?」
もちろん思ってはいなかった。
だが、その言葉を口にしてはいけないとエリックは本能で感じた。
シザーが機嫌のいい時はロクなことが無いと身を持って体験済みなのだから。
触る神になんとやらだと、読んでいた本を静かに閉じて椅子から立ち上がる。
が、いつの間にかすぐ隣に立っていたシザーに思わずビクッと肩を震わしてしまった。
まずい。
頭上にある目の前の男の顔を見みて、ああ終わったとエリックは思った。
エリック見つめる赤い瞳は、それはそれは楽しそうに、とびきり素敵なオモチャを見つけたいたずらっ子の様に細められていた。
「そう慌てて出ていくなよ。遊ぼうぜ、あるじ様」
「…忙しい、から」
「嘘つくなら、も少しマシなのつこうな」
ガキの嘘など丸分かりだと言わんばかりのとびきりの笑顔でエリックを見下ろすシザーに、少年はバツが悪そうに下を向く。
「さぁ、遊ぼうぜ」
大きな手が小さな頬を捕らえて、そしてゆっくり口付ける。
それは、これからの淫らな行為の始まりの合図。
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