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思い違い
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「脱いだ服はこのカゴに入れてね。」
海斗さんは、俺が混乱しているのにも関わらず作業をそのまま進める。
俺はというのと、これからのことが全く分からずオタオタするばかり。
海斗さんがそんな変なことをするとは、思えないけど…
服脱いで、ベッドの上ってどういうこと⁉︎
自分の頬が自然に紅潮していくのがわかる。
「え、あの、何を…」
俺は、しどろもどろと尋ねた。
「あぁ、心電図やるだけだから特に変なことはしないよ。」
ほっ…
安堵の息をつく。
だけど、変なことを想像してしまっことへの羞恥心と自分への嫌悪感で俺は顔を隠した。
そうだよな。
今、俺は検査にきているのに何考えてるんだよ。
ルイでもあるまいし。
ここには危険はないって…
まだ、若干の抵抗感があるものの大人しく、上のTシャツを脱いで、ベッドの上に横になった。
ベッドは、思っていたほど硬くなく、ふんわりと俺の身体を受け止めた。
海斗さんは奥の方から、持ち運び出来そうなぐらいの機械を持ってきてそこから伸びるコードを俺の身体に繋ぐ。
手足に大きな洗濯ばさみみたいなので、手首と足首を挟まれ、吸盤みたいなのを胸の辺りから左脇のほうへ貼られる。
うぅ、なんか気持ち悪い。
手首とかのほうは、痛くも無いし大丈夫なんだけど…
吸盤のほうが気持ち悪い…
吸い付いてる感じといい貼られているところといい…
俺は、気持ち悪さに顔を顰めた。
「これから、計り始めるからリラックスしてね。緊張とかしちゃうと筋電図とかも入っちゃうから。」
海斗さんはそう言って、スイッチを押した。
画面に心電図が写りだし、何故か海斗さんはそれに顔をしかめた。
?
「ちょっと、ごめんね。」
そう言って、俺についていた吸盤の位置を左右対称に張り替える。
そうすると、海斗さんは納得したように頷いた。
「隼人くんって、右心臓なんだね。初めて見たよ。」
うしん…ぞう……?
心臓が右側にあるってやつかな?
え?
そういえば、中学生の時もこうやって付け替えられた事があったっけ…
「心電図がはじめ、逆さまに出たからまさかなと思ったけど…本当にいるんだね。」
海斗さんは呑気な口調で言う。
「そんなに珍しいんですか?」
「10万人に1人くらいらしいから、相当珍しいよ。」
すべて平凡な俺が…
かと言って、こんなわかりにくいものが珍しくても何の感動もないんですけど…
俺は、その感動に心動くわけでもなく、むしろ落胆みたいな感じのほうが大きかった…
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