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1.秘密の手紙2
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「……返してください。大事なものなんです」
この人はどこまで僕を馬鹿にすれば気が済むのだろう。怒りで視界が紅く染まった。
努めてそれを抑え、荒川さんの目的を考えるけど、嫌がらせ以外に特に思い当たらない。
「お前が俺の言うことを聞きさえすれば、返してやるんだがな」
「どうして自分の所有物を返してもらうために乳首を出さなきゃいけないんですか」
「別に嫌だったらいいんだぞ。その代わりお前のラブレターは掲示板に貼り出すけどな」
安心しかけたのもほんの一瞬で、さらにおぞましいことを告げられる。ただの嫌がらせじゃない。この人は徹底的に僕を追い詰めるつもりだ。たとえこの手紙が女子に向けたものであったとしても、そんなことは耐えられないだろう。
悔しくて悔しくて、唇を噛みしめる。
せめて僕が、少しでも身体を鍛えていたら。もう少し男らしい体格をしていれば。僕は荒川さんに飛びかかって、力づくで手紙を取り返しただろう。だけど、こんなひょろい身体で飛びかかっても敵いっこない。また身体を触られたり、嫌な思いをするだけだ。
「乳首を俺に見せればそれで済む話なんだぞ」
荒川さんが煽ってくる。そうするしか、ないのだろうか。
僕はゆっくりと服をめくり上げた。
「言っておきますが、僕がこのことを先生がたに言えば、荒川さんの寮生活も終わりますからね」
「勝手にしろ。お前が社会的に死ぬのが先だ。それが嫌なら大人しくしてろ」
とうとう、 僕の乳首が両方とも丸出しになる。それを見るなり荒川さんがすぐに顔を近づけてきたので、僕はまた1歩後退した。
背中がドアとぶつかる。これ以上後ろには逃げられない。
「見るだけって言いましたよね」
「まだなんもしてねーじゃん。ビビリだな、お前」
「荒川さんが信用できないからです」
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