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1.秘密の手紙9*
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やがて、身体の中に熱いものが放たれた。荒川さんのものが中で脈打つ感覚には鳥肌が立ったけど、やっと終わったという安心感のほうが大きかった。
口を覆っていた大きな手が外され、僕を突き刺した醜い欲望が引き抜かれる。僕はやっと解放されたのだ。
「……っ…………」
全身から力が抜ける。その拍子にとめどなく涙が流れ始めた。もう自分の意思では止められない。僕は服も着ないで、床に横たわったまま身体を丸めて啜り泣いた。もう何年泣いてないか数えられないくらいには、僕は強かったはずなのに。
ひたすら耐えれば大丈夫。最中はそう思っていたけれど、僕は計り知れないショックを受けてしまったようだ。
男としての尊厳も、栗原を想う資格も、全て失くしたような気がした。
自分の啜り泣く声に混じって、ドアの閉まる音がした。まさか栗原が帰ってきたのだろうか。だったらまずい。僕は急いで身体を起こした。
相変わらず、室内に栗原の姿はない。荒川さんが帰った音だったようだ。
ほっとしたような、少しがっかりしたような気がしてまた横になりたくなったけど、自分を奮い立たせて立ち上がった。本当に栗原が帰って来る前に服を着ないと。
そこで初めて、足元に手紙が落ちていることに気がついた。服を着てからそれを手に取ると、見慣れた自分の字が目に入った。
どうやら荒川さんは手紙を返してくれたようだ。
そこには、まだ穢されていなかった僕の、ありのままの気持ちが綴られていた。
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