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3.言えない気持ち4
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荒川さんには、僕が荒川さんに屈したように見えるだろう。実際、そうなのかもしれない。
だけど、これだけは決めている。
僕の心は、絶対に荒川さんには渡さない。
他の理由ならともかく、荒川さんのことを理由にして、栗原のことを諦めたりはしない。
心に決める必要がある地点でおかしいけど、そういう心の支えは、今の僕に一番必要なものだった。
心と矛盾した身体の動きは、自らを覆っていたものを全て剥ぎ取った。この地点で荒川さんが手を出してくるんじゃないかと思ったけど、ただ僕に服を差し出しただけだった。荒川さんの手から服を受け取る。僕は大人しくそれを着た。
サイズが大きめなのか、女性用のわりにあまりきつくはない。
ただ、心理的な抵抗は軽くはなかった。スカートの裾から局部が見えてしまいそうで、裾を押さえつけて隠す。
「可愛いな」
気持ち悪いほど優しい声で囁く荒川さんは、今どんな顔をしているのか。僕は今、荒川さんの目にどう映っているのか。それを考えるだけでも、顔が上げられない。
僕が俯いて何も言えずにいると、荒川さんは無視されたと感じたようで機嫌を悪くした。
「褒めてやったんだぞ。ありがとうございます、だろ」
「あ、ありがと……う、ござい、ます……」
「ふん。……まあ、恥ずかしがってる悠生も悪くないな」
荒川さんは僕を全身くまなく観察し始めた。最初は全身を360°見回して、それから身体の1つ1つのパーツを確認している。全身に性的な視線がまとわりついてきて、鳥肌が立った。
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