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4.裏切りと怒り4
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我ながら身勝手だ。他の人と肉欲を貪りながら、本命にはちゃんとした答えを求めている。
栗原が1番嫌いそうなタイプじゃないか。
自己中心的という点では、僕と荒川さんはお似合いなのかもしれない。
**********
次の日の荒川さんは、なんだかおかしかった。元々頭のおかしい人だと言ってしまえばそれまでだけど、いつも以上に獰猛な目をして、僕の部屋にやってきた。午後の授業が終わった直後のことだった。つまり、栗原は部活で、僕だけがいる時間帯を狙ってきたわけだ。
「今日もたくさん可愛がってやるからな」
「あっ、荒川さん」
荒川さんは僕を捕まえるなり、ベッドに押し倒した。しかも、そのベッドは僕のものではない。
栗原のベッドだ。
「あのっ、ここ、栗原の……」
「俺もう我慢できねぇ……今度こそ悠生は俺のものになるんだ……!」
せめて僕のベッドに移動したくて荒川さんを押しのけようとするけど、荒川さんはびくともしない。興奮のあまり、僕の抵抗にも気づいていないようだった。荒川さんの意識は僕のシャツをたくし上げることにだけ向けられている。
「荒川さん! せめて僕のベッドにしてください!」
少し大きな声で咎めると、荒川さんはやっと反応した。
「……悠生」
冷たい視線が突き刺さって、僕は息を飲んだ。荒川さんがこんな顔をするのは、僕を思い通りにできず、力ずくで僕を従わせようとしているときだ。詰られても殴られてもいいように覚悟を決めなければならない。
荒川さんん怒らせたのだから、当然だ。
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