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4.裏切りと怒り11*
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「あ、ん……っ、ぅ、あぁ……!」
一連の流れだとか、長く楽しむだとか、そういったものは僕の眼中にはなかった。ただ快楽を追い求めればそれでいい。それで、僕の目的は果たされる。
1番気持ち良いところだけをひたすら擦っていたせいか、すぐに射精感がこみ上げてきた。
意識が徐々に下半身へと集まっていく。これこそ僕の望んだ感覚だ。こうなってしまえば、自分に都合の悪いことを考える余地はない。
ティッシュを手にとって、今度は自分の雄を掴む。先走りがティッシュに滲んだ。破れてしまわないか心配だけど、たぶん大丈夫だろう。構わず上下に擦ると、すぐに達することができた。
「ひ……あ……っ、あ、あっ! ん……んぅっ……!」
絶頂を終えると、さっきの光景が蘇ってくる。
激しく絡み合い、同時に達する荒川さんと僕。それを無表情に見ている栗原。
そして、僕がその状況を理解したときの、身も心も凍りつくような感覚。
だけど幸か不幸か、現実逃避の手段としての絶頂は、いつも決まって激しく、なんとも言えない中毒性がある。
汚したティッシュをゴミ箱に投げ入れると、僕はまた自慰を始めた。
**********
何度絶頂を迎えただろうか。数えるのを止めた頃、部屋のドアが開いた。僕は反射的に目を閉じ、布団を被る。
寝たふりをしつつ少しだけ目を開けると、相変わらず何の表情も浮かべていない栗原がいた。
さすがの僕も、本人を目の前にすると実感が湧いてくる。
僕はもう栗原に嫌われてしまったんだ。もう今までみたいに栗原と話すこともできない。もちろん、この間のような優しい言葉をかけてもらうこともない。
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