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5.裁かれる想い8
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だけど、棚の本を手にとって見ると、想像以上に面白そうな本が多い。僕は借りる本を選ぶことに夢中になっていた。
「……えっ?」
夢中になること、それは、周りが見えなくなるということ。
つまり、無防備になるということ。
気づいた頃にはもう遅かった。
僕の体は縛りつけられるかのように背中から抱きしめられていた。
「悠生……やっと見つけた……」
優しい声とは裏腹に、その腕には僕を潰さんばかりの力が込められている。
僕はというと、怖くて怖くて、頭が真っ白だった。声を出して助けを求めれば、誰かが来てくれるかもしれない。そんな発想すら抜け落ちるくらい、恐怖に慄いていた。
また犯されるかもしれない。今度は殺されるかもしれない。そう思うと、少しも動けなかった。一度反抗したと認識されてしまえば、その後何をされるかわからない。
「……来い」
僕は手を引かれるがままに、荒川さんの後をついていった。
どこに連れて行かれるのかも怖かったけど、場所は荒川さんの部屋だった。あまりにも想定内すぎて逆に意外だ。
僕を部屋に押し込んでから荒川さんは内側から部屋に鍵をかけた。今までどんなに酷いことをするときもいちいち鍵をかけたりはしていなかったのに、今回は絶対に僕を逃がさない気のようだ。
「悠生……どういうことだ……?」
荒川さんは僕を押し倒したり脱がしたりせず、ただ壁のほうへ追い詰めていく。
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