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6.今度こそ、秘密の手紙12*
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「イけよ、俺も、もう……っ」
「あ、あぁ…………! んっ……うっ…………あ…………」
栗原に促されるがまま、僕はあっという間に果ててしまった。最近あまり抜いていなかったからなのか、大量の白い粘液が僕のベッドを汚していく。少し遅れて、僕の中にも熱が飛び散った。
**********
「おやすみ」
「おやすみ、中森」
就寝のあいさつを交わしながら、2人ともベッドに潜る。部屋にベッドは2つあるけれど、もう僕たちには1つで十分だ。今日は僕のベッドで一緒に寝ることにした。
「なぁ、中森」
すぐに寝るのかと思いきや、ベッドに入って早々、栗原が話しかけてきた。
「どうしたの?」
「好きだ」
さっき言ったような言葉を、栗原はまた繰り返した。
「僕のほうがずっと前から栗原のこと好きだよ」
だから僕も、既に伝えてあるような言葉を繰り返す。
誰にも邪魔されることもなく、誰の視線を気にするでもなく、ただ身を寄せ合えるのが、心の底から幸せだった。
「今までたくさん傷つけた分、これからはお前のこと守るから」
「それはお互い様だよ。栗原だってたくさん苦しんだんだから」
これからは、2人で新しい気持ちで過ごせるといい。
そのために、過去の嫌なこととは決別するんだ。
だから僕は、栗原が帰ってくるまでの1時間半、手紙を書いていた。誰にも渡されることのない、僕だけのための手紙を。書いたからといって、過去を忘れられるわけじゃない。だけど少なくとも、乗り越えることはできる。
その手紙を書いたときから僕は、今までの僕ではなくなった。
過去に囚われ、臆病だった僕はもういない。代わりに、僕の隣には栗原がいる。
明日からの毎日は、良い意味で何もかもが変わりそうな予感がした。
秘密の手紙が、今度こそ"秘密の手紙"である限り。
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