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夏服
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梅雨が明け、太陽がジリジリとグラウンドの白い砂を照り付ける。
「暑ぃ……。」
下敷きをパタパタと仰ぐ友人。名前は葉山告(はやま こう)。そして俺は、梅村透(うめむら とおる)。お互いにクラスは違うが、今はまだ朝のHR30分前だ。
俺の席は、窓際の一番後ろ。葉山はその一つ前の席に、だらしなく座る。
「梅村は、いつも涼しげだよな。肌、白いし。全然焼けてねーじゃん。」
「焼けるよ。夏服とか直ぐ腕が赤くなるから、好きじゃないな。」
俺は色が白い。小麦色に焼ける事はない。直ぐに赤く腫れる。その為、登校前は日焼け止めを念入りに塗るのが日課となっている。
暑くてお互いに何も言う気にならなくなった俺たちは、ただずっと、風で揺れるカーテンを見ていた。
「あの。そこ、座りたいんだけど……」
いつの間にか、時が経っていたらしい。気づけば、あと5分でHRが始まる。そして、目の前には席の主、林刹那(はやし せつな)が現れた。
「あぁ、林。悪いな。」
目の前で困った顔をした林。俺はいつの間にか寝ていた目の前の葉山を乱暴に起こした。
「おぃ、葉山!もうすぐHR始まるぞ!」
「ん……あ、あ!」
時間に気づいた葉山は慌てて起き上がる。
「起こしてくれてサンキュー梅村!」
そう言って、直ぐに自分のクラスへと帰って行った。
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