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君がいる
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ガタン…「うめ…透!」
月曜日、朝練から帰って教室のドアを開けると梅村君がいた。興奮の余り梅村君呼びになりそうだったのをなんとか堪えた。後ろから呆れた笑いをする河崎も教室に入る。
梅村君はハニカミながら「おはよう。」と言ってくれた。堪らなく嬉しくて、歩みが速まる。近くには不貞腐れた表情の葉山が俺の椅子から立ち、席を譲ってくれる。
「おはよう、透。」
席に着いてもう一度挨拶を交わす。
「俺もいるんですけど。」
冷ややかな目で俺を見下ろす葉山。
「ああ、おはよう葉山。」
「俺には?」
後ろから河崎が問う。いや、お前とは朝練の前に挨拶しただろうが!
そんな事を考えていると、梅村君の口元が緩む。
「何か、やっぱりいいね。こういうの憧れてたんだ。セツ、友達になってくれてありがとうな。」
ふわりと緩やかに舞うカーテンと君の表情が爽やかな朝を感じさせた。
見とれていると、河崎がちゃっかり梅村君に欠席していた分のノートのコピーを渡す。
そうか、その手があったかと考えているのを河崎に見透かされたのか「お前は授業中寝てたからな。」と笑う。
「き…聞いてたしっ。」
強がって見せると、笑う梅村君。それにつられて皆で笑う。
ああ。
君がいる世界はこんなにもキラキラしていて、眩いんだ。
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