アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
9話【馬が合うじゃダメなのか?】
-
俺は佐藤格汰20歳。俺は今、本屋さんにいる。プロレスの雑誌を立ち読みするためだ。そこで俺は凄い状況に遭遇している…
店員「お客様、困ります!店内での1曲は」
ギターをアンプに繋いでいる、もう弾く気満々だ
音葉「ここで1曲演奏することがどうしてダメなんだ」
いや、ダメすぎるだろ!
店員「営業妨害になるからですよ。というかどうしてここなんですか!」
家とかスタジオ行けよ!
音葉「この店が俺を呼んでいたから…」
店員・格汰(うわ〜電波さんだ!!!)
店員「とにかく困ります!」
店員が必死に止めていると店長さんが来て、店員の肩に手を乗せる
店長「いいじゃないか。この店がこの人を呼んじゃったんだから」
店員・格汰(店長ぉぉぉぉ!?)
店長「どうぞ思う存分にお弾きください」
音葉「それでは…」
店員「いや、いいんですか?店長!」
店長「今は客も少ないし…もしかしたら良い客寄せになるかもだぞ?」
店員「いや、でも…」
するとギターの人が弾き始めた。俺は驚いた。ギターしか持っていないはずなのに他の楽器の音も聞こえるような錯覚を起こすような音だった。目を閉じるとオーケストラを聞いているように思える。ギターでは確実に聞けない鉄琴の音も聞こえる。この人は色々と凄い!もう意味がわからない
いつの間にか客がギターの人を囲んでいる。音を聞いて駆けつけて来た客もいるのだろう。さっき店にいた人数よりは多い
演奏が終わると客は皆、拍手をした
店長「いや、素晴らしい!また弾きに来てください!」
音葉「ありがとうございます。でわ…」
ギターの人が店を出て行くと、さっきまで演奏を聞いていた客がついでに本を見ようと思ったのだろう、店からは出ず本を探した。でも俺は違う、俺はギターの人を追っていた。俺は何をしに来たんだっけ…そうだプロレスの雑誌を立ち読みしに…でも今は!
格汰「ちょっと待てよ!」
音葉「…俺?…なに?」
なんて綺麗な顔立ちなのだろう、とてもギターを弾く人には思えない。ピアノの方がしっくりする
格汰「さっきの演奏すごかった!何言ってるのこいつって思われるかもしれないけど俺にはギターだけだとは思えなかった!」
俺がそう言うと一瞬驚いた顔をしたが嬉しそうに笑って
音葉「ありがとう。君の耳は凄いんだね。普通の人にはギターの音しか聞こえないはずなんだけどな〜」
格汰「やっぱり俺の頭がおかしいのかな」
自分でも思った。だってそこにはギターしかなかったのだから
音葉「おかしくないよ、寧ろ凄い。俺は他の楽器も想像しながら弾いたんだ。それを感じ取っただけだよ」
そんなこと出来るのか?こいつの表現力が凄いのか俺が凄いのか、どっちもか…
音葉「なんか君とは仲良くなれそうだ…こんな事いきなり言われたら困るかもしれないけど…君といると俺の音が響くんだ…君と俺の音は相性がいいみたいなんだよねw」
うん、今すげ〜困った
格汰「…音?」
音葉「なんて言えばいいんだろう…オーラと言うかなんと言うか…一人一人、音を持っているんだけど…」
…性格が合うとか馬が合うじゃダメなのか?
音葉「例えば君の音は少し荒っぽいけど実は家族思いだったりする優しい音…格闘技とか好きなんじゃないかな?スリルとか戦う事に面白味を感じてる…」
こいつ…
格汰「すげ〜な!確かに俺は格闘技が好きだ!よくやるし、見るのも好きだ!お前本当にすげ〜よ!」
音葉「今日は凄い褒められる日だな…w」
照れているのがわかる…こいつ、少し可愛い
格汰「だって本当に凄いと思った!今の凄いやつとか、さっきの演奏とか!俺はもっと聞いていたかった」
音葉「じゃあ今弾いてあげるよ」
と言い、ギターとアンプを…どこから出した?アンプを出して今にも弾きそうだったので必死に止めた
格汰「ここはやばいだろ!道の真ん中だし、どっかスタジオとか借りてさ?」
音葉「俺…あそこの空気あまり好きじゃ無いんだ。来る人と音が合わな過ぎて不協和音を感じるんだ。店員さんとは意外と合うけど」
格汰「不協和音?」
音葉「隣り合った音を同時に鳴らすと汚い嫌な音が出るんだ…」
馬が合わないってことかな?ん〜隣り合っているなら仲が良く思える物だが…
格汰「そう言うのは見ればわかるのか?」
音葉「見ると言うか…空気で感じるんだ。俺の音が反応してその人がどうな人か教えてくれる」
凄い電波さんだ…でも不思議とストレスは感じない…
格汰「いい能力持ってるんだな、羨ましい」
音葉「そう?wとりあえずスタジオは嫌だからやっぱりここで…」
格汰「いや、だからダメだって!…お前は演奏出来ればどこでもいいのかよw」
音葉「そんなことは無い。俺は弾きたいと思った時に弾きたいと思った場所で弾きたいんだ。今は君の前だから弾きたいと思った」
よくわからないけど嬉しい…
格汰「じゃあさっきの本屋さんでもそう思っちゃったのか?」
音葉「さっきの本屋さんはなんとなく…」
格汰「え?」
音葉「なんとなく助けたくなったんだ。あそこの本屋さんは品揃えはいいのに客があまり入らない…だから客を呼ぼうかな〜って」
なにも考えてないようで考えていたのか
音葉「あと、演奏ができる場所をふやしたかった」
本音そこだろ!
音葉「家でしか弾ける所が無いから…それで場所を探してたら本屋さんを見つけて…」
なぜ本屋さんを見つけた!
音葉「入って見ると店が俺に優しくて…」
こいつは色々と凄い…
音葉「店長さんとも音が合いそうだったから…」
確かにあの店長さんはいい人だった…
音葉「結果演奏ができる場所が増えた」
助けるって話どこに行った!
まぁ結果客が入ったのだから効果はあったのだけどw
ギターの人はとても嬉しそうだった
格汰「演奏するのが好きなんだな!」
音葉「好きだよ。楽器を弾くのも好きだけど、音で何かを表現してそれを伝えれた時は本当に気持ち良いんだ。だからさっきは凄く嬉しかったんだよ!」
この人の笑顔は綺麗だ。俺はこの人のそばでずっとこの笑顔を見ていたいと思った
音葉「もっと聞きたいって言われて君の前で演奏したいと思った!…でもここではダメ…なんでしょ?」
格汰「そうだな…家とかならまだ…」
音葉「じゃあ家来る?俺の家」
格汰「え?いいのか?今日あったばかりの人だぜ?」
音葉「大丈夫だよ、だって…今後いっぱい遊ぶでしょ?俺はそのつもりだったけど」
格汰「…友達になってくれるのか?」
音葉「俺は親友まで行くつもりだった」
親友…俺と?嬉しかった。俺は顔が怖いせいか友達があまり出来なかった。俺が近づくと皆逃げてしまう。だから今の言葉は凄く嬉しかった
格汰「そうか?じゃあお前ん家行くか」
俺はこいつが好きだ、もっと仲良くなりたい。俺は、こいつと…
END
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
10 / 23