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若林先生
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診断の時、
俺の場合「心理的」が原因と言われた。
勿論原因に心当たりがあるが、そのことでは下半身にまで影響が生じるとは…
「永田さんは、心理的に原因がある場合のEDです。軽度であれば薬だけで治る可能性があります。重度だと時間はかかりますが、治療すればきちんと治りますよ。安心してください。
最近、心理的に負担がかかったことに心当たりはありますか?」
「…はい、
最近離婚しまして…」
「それは辛かったですね…
EDの患者さんで、もういう理由の方もいらっしゃいます。
その事を話せれる友人はいますか?」
「仕事仲間ぐらいですけど…離婚のショックで、今は仕事を休んでいるので」
「僕で良かったら、聞きますよ?
気休め程度ですが、気が楽になりますよ」
その優しい声に誘(いざな)われるように俺は、今まで誰にも話せず、ひとりで溜め込んでことがぽつり、またぽつり、と口から零れていった。
途中から泣いてしまった俺に優しい言葉をかけながら親身に若林先生は聴いてくれた。
全て話すことで楽になり、我に返る。
すると、驚いたことに若林先生の胸に抱かれ、頭を撫でられているという状況だった。
「あっ、す、すみません俺…」
「よく一人で耐えましたね。
永田さん…
我慢しなくていいんですよ
泣いていいですよ」
俺はその言葉に再び若林先生の温もりに包まれ涙を流した。
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