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④
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それ以来、オレはこれ以上ないくらいに、荒れた。
セフレは、全て切り捨てた。
そして近づいてくる人間は、女でも男でも関係なく弄んで捨てる。
オレの周りには、おこぼれを拾おうとする最低な奴が群がり、そんな光景を見ても、心が何も動かなかった。
「お前、このままだと確実に刺されて死ぬぞ」
高校の悪友を通じて知り合った、ケイと呼ばれる男だけが、オレを心配するようにたしなめてきたが、それすらどうでもよく、刺されて死ぬならそれが天命だろ、と思っていた。
あの、幸せな未来の家族の絵が、ボロボロに引き裂かれた時に、もうオレも死んでいたのだ。
あのまま、夢を見続けていられたら、どんなに幸せだっただろう。
高校を卒業する頃には、籍だけ入れて、既に産まれていた赤ん坊と三人で暮らし始める。
その夢に浸りきっていたかった。
現実から、逃げるように、夢の自分とは正反対の道を進み続けていた。
そうすれば、いつか現実が夢に、夢が真実になるのでは、なんて考えていたのかもしれない。
そんなんだから、騙されるんだと、嘲笑うクソ親父にそっくりな自分もいた。
他人なんて信じるな、信じれば痛い目をみるだけだ。
そうやって、半年以上が経とうとしていた。
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