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膝枕
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会長と食堂で食事をして、部屋に戻る。
ドアを閉めると、例のごとく後ろから抱きついてきた。
......だいぶ慣れてきたな、俺。
「生徒会室にいたときから充電切れだったんだ...」
会長は俺の肩に顔を埋めると、そう呟いた。
俺はその頭をぽんぽんと撫でてやる。
会長はそのまま寝てしまいそうだった。
くそ...動けない......
立ったまま寝られると困るな...
「おい薫...ちゃんとベッドで寝ろよ?」
「うん...わかってる...もう少し、だけ」
「そう言って絶対寝るだろ...」
ムニャムニャと会長は俺の肩に顔をすり寄せる。
ったく...しょうがない。
「この体制疲れるから、膝枕にしてもいいか?」
そう言うと、会長は目をパチッと開く。
そして「え...」と声を漏らしている。
何か変なこと言ったか?
とにかく解放されたので、俺はベッドに座る。
「ほら、寝ていいぞ。」
俺は自分の腿を軽く叩いた。
会長はぼーっと突っ立ったままだったが、のそのそと俺の隣に座ると、「お、お邪魔します」と言って俺の腿の上に横を向いて頭をのせた。
わしゃわしゃ髪を弄ってやると、会長は耳を赤くした。
「...なんだよ。照れてんの?」
「仕方ないだろう...宗吉なんだから」
そう言って会長は目を閉じた。
なんだそれ。
俺はその寝顔を見下ろす。
むかつく位綺麗な顔だ。
あ、そうそう。
昔から左目の目尻に黒子があるんだよな...
なんて思って目元をなぞる。
会長は眉根を寄せた。
「くすぐったいじゃないか...」
薄く目を開けてこちらを見上げる。
顔を覗きこんでいた俺と目が合うと、また顔を赤くして目をそらした。
俺に変なことするクセにこういうとき照れんだもん...わけわかんない。
「宗吉の膝はかたくて寝れたものじゃないよ...」
会長はそう言って、わざとらしく溜め息を吐く。
「贅沢言うなよ。」
「ごめん、拗ねないで。」
イヤ、拗ねてないし。
俺がやれやれ、と溜め息を吐くと、会長は頭の向きを俺の体を向くように変え、
「でもあったかいね」
と微笑んだ。
そりゃそうだ。血が通った人間だからな。
近くにいるからか、ふわ、と会長の匂いがした。
なんかこの匂い落ち着くんだよな......
そう思うと、俺もうとうとしてくる。
「宗吉......」
会長はそう呟くと俺の腰に手を回し、むぎゅっと抱きついた。
「ちょっ!?」
俺は思わず声をあげる。
なぜかと言うと...
会長は自身の顔を俺の下腹部に埋めてきたのだ。
「お、おい!どこに顔やってんだ!離れろ!!」
引き剥がそうと会長の頭を掴む。
「宗吉が隙だらけだからだよ」
そう言って俺のそこにキスをした。
驚いて体が飛び跳ねる。
「ふふ、宗吉、感じちゃったかい?」
「ま、さ、か!」
俺はそう言って会長の頭をぐりぐりした。
さっきまで照れてたのは演技だったようだ。
ったく油断も隙もねえな!!
「ねえ、フェラチオしてあげようか?」
会長は俺を見上げてさわやかに笑う。
「よせ!やめろ!もうお前には膝枕しないからな!」
俺がなんとかして顔を離させると、会長はむう、といった顔をしてまた俺の腿の上に寝転んだ。
「冗談さ。このまま少し寝てしまってもいいかい?」
俺は今ので、少し嫌だなと思ったが、寝てくれるならそれでいいかと考える。
「...ああいいぞ。」
「じゃあ...おやすみ宗吉」
そう言うと、すぐに会長は寝息をたて始めた。
やはり相当疲れていたようだ。
ここ最近はずっと仕事ばかりだったもんな。
会長だから、と、学校では気張っていて、先生や生徒には弱みを見せないようにしている。
だから部屋にいるとき、俺がいるときくらいはゆっくりさせてやろう。
会長の父親に、頼まれてるしな。
俺は会長を起こさないようにそのままの体制でそっと手を伸ばして、本をとった。
菅谷がおもしろいから、といって貸してくれた本だ。
動けないし、読書でもしよう。
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