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クローロ..9
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「……起きて。」
ルーノはおもむろに口を開くと、
まだ意識を失ったままの青年を軽く揺すった。
「起きて。」
揺すられた青年の腕に取り付けられていた手枷がカチャカチャと鳴る。
やがて青年がフッと目を開けると、
ルーノは青年の顔を覗き込んだ。
「起きた?」
「……?
…?!!!」
青年は、顔をしかめて今までの事を思い出していたようだったが、
手の自由を奪われた状態でプロフィテーギ人が目の前に居ると分かるや否や、
脚を振り上げ暴れ出した。
振り回された脚はルーノの背中を何回も蹴り飛ばし、
離れろ、自由にしろと要求する。
しかしルーノは小さく呻き声を洩らしながらも青年の太股に跨がって乗ると、
青年の脚の動きを封じた。
「おいっ、今すぐ外せっ!!!
触れんな!!!!!」
ルーノが手馴れた手つきで足枷を着けている間にも、青年は抵抗を続けていたが、
何処から出したのか、刃渡り10cm程のバタフライナイフを首に当てられると、さすがに黙らざるを得なくなった。
ナイフはよく手入れされているようで、
肌に触れているだけなのに、
既に青年の首からは血が滲んでいる。
青年がゴクリと唾を飲み下すのを確認すると、暫く無言だったルーノは口を開いた。
「僕はルーノ。
君の名前は?」
「……ッ」
「な・ま・え・は?」
「…クローロ・センヴェント……。」
クローロは苦虫を噛み潰したような表情で渋々答えたのだが、
ルーノはそんな様子は気にもせず、
クローロ、クローロか…
と一人ごちる。
「…クローロ。」
それからルーノは、クローロに当てたナイフの刃先を鎖骨の辺りまで移動させると、
「僕の補佐官になれ。」
そう言った。
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