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平穏?..1
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***
「作戦書記。
任せていた件だけど、順調?」
普段と変わらずきっちりと軍服をルーノが、
作戦本部に入るなりそう訊ねると、
訊ねられた作戦書記は機敏に敬礼をして、それからテキパキと報告を始めた。
「はい。
スピリート軍の負傷者は、
数名を除いては快方に向かっています。
その回復の見込みが少ない患者についても、
既に先行してスピリート王国に引き渡されています。
スピリート政府との交渉も無事成立し、
重要人物数名以外は全員スピリート人を釈放するという事で合意がなされました。
スピリート人の帰国ルート及び手段については、
こちらにまとめてあります。」
「そっか。
スピリート政府がもう少しただこねると思ってたんだけど…。
もう、泣くのも疲れちゃったかな?」
ルーノは作戦書記から受け取った詳しい資料に目を通しながら、
戯れ言を言ってクスクスと笑う。
「…まずは休戦、それから停戦に持ち込みたいのかな。
うん。
もう少ししたら、また忙しくなるだろうから、
今のうちにこの件の後片付け宜しく。
作戦副指令、
任せてもいいかな?」
それからルーノは、
書類の細かい手直しを何ヵ所かさせると、
作戦本部から出ていった。
よく訓練された彼の部下は、
寸分狂わず揃って敬礼をする。
それからいきいきと各自の仕事に戻る構成員達の中に、
しかし一人だけ、
ルーノの様子に首を傾げる者がいた。
「…お前、また怒られたいの?
もしかしてMな訳?」
同期にそう茶化されても、一向に首をひねるのを辞めないのは、例によって例のごとく、
ストゥルだった。
作業に手をつけながらも、彼は考える。
…ルーノ作戦指令官、
なんとなくだけど、
様子がおかしかった、
ような気がするのは…
私の考えすぎでしょうか…?
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