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続
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ところが、息子の方はそうは思わなかったらしい。
「ねぇ。とうさんは、再婚とか考えないの?」
問う声がゆったりと耳にすべりこんできた。
「何だ?いきなり。…かあさん、再婚するのか?」
もしやそれがショックで、家出したのか!?
「するわけないよ。…つか、今付き合ってる人とか、好きな人も居ないんだ?」
「とうさんは、もうそんな気は無いからなぁ。それより、おまえはどうなんだ?」
高校生ともなれば、そろそろ彼女がいても可笑しくない。
「いるよ。だから、その人と同じ方面に進みたいって、かあさんに言ったんだ」
「もしかして。それが今回の喧嘩の原因か?」
妻は公務員になって欲しい!とずっと繰り返してたしなぁ…。それを本人から覆されて、キレたのかもしれない。
「それもある。けどね、反対された理由は他にあるんだ」
ということは、相手か?
妻とソリの合わない彼女?…いや、この顔は。
それ以上の何かが、ありそうな気がする。
「まさかお前…」
「うん。そうなんだ。ボクら『同性』だから」
学校の先生とか
シンママとか
その辺りまでしか想像出来なかったオレは、絶句した。
「本当、なのか?」
「うん」
辛そうに目を瞑った我が子を見て、厭な事を思い出した。
思春期の自殺理由のトップはイジメ。中でも、ゲイである率は最も高い。
「いや、その…アレだ。お前位の男子には、ある時期そうなることも無くはないらしいしな、今からあまりそう深く思い詰めない方が、いいと思うぞ?」
「とうさん」
神妙な声に、こちらも居住まいを正した。
「どうした?那智」
「ボクは。とうさんなら分かってくれる、って思ってたんだけど?」
「オレなら…?どういう事だ!?」
「とうさんは、かあさんに離婚されたって言うけど。ホントは違うよね?とうさんはゲイだったんだ。気付いたから、続けるのがムリになった。そうでしょ?」
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