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ピピーーッ
お昼休憩が終わり、また有馬達はクラスのテントへと向かう。
「……」
その様子を遠目で追っていたらすこしだけ淋しさが残った。
一人きりのテントは……
なかなかに暇だな…
有馬が出る次の競技のダンスにはまだ時間がかかるらしい…。この可愛らしいプログラムによれば…
パラパラと小説に目をやり、時折有馬に視線を向ける。
どの競技にも目をそらさないで、楽しそうに笑う有馬。その光景を見てるだけなのに何故だか自分も自然と頬が緩んでしまう。
こーゆーのが幸せって言うのか…?
それともただの変人?周りから見たら『何あの人、1人で笑ってる…』みたいな見方をされるのか?
いやいや、小説と漫画の読みすぎだな…
周りは思ったより自分のことなんて見てないもんだ。
ピピピッ!!
しばらくぼーっとしてたら、結構終盤になっててもう有馬が出るダンスの準備にはいっていて若干焦る。
「…ッやべ!」
バッと勢いよく立ち、カメラを構えるが、普段あまり動かないせいか、足がつってしまってそのまま固まる俺。
やべーーーーこれはもう…やべーーーーッ
心の中でパニックをおこしながら額からダラダラと汗があふれた。
せめて写真でもと思い、震える手でシャッターを押した。撮れた写真はあとで確認するとして、俺は一生懸命にシャッターをきり続けた。
「くっ…有馬!!必ず未希達に見せる写真を!!!」
そして約10分間のダンスはあっけなく終わりを告げたのであった。
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