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文化祭 2日目 vol.8
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「ひ、ひなっ!ちょっと、…!!」
「…もう、いいか…この辺で」
人気が少なく薄暗い東階段の手前、掃除用具倉庫のドアに縋り、立ち止まった
母さんは久々に走ったからか、ハァハァ息を切らしていた
「母さん運動しなよ」
「今度、りかちゃんとジョギングする予定じゃけんええの!」
膝に手をつき息を整えつつ、母さんが答える
「そうなんだ、りかさん元気?蓮華は?玲旺も元気にしてる?」
「みんな元気よ…雛が帰ってくるって蓮華も喜んどったし…」
「それなんじゃけどさ、俺帰るの無理。」
「なして…」
「今、ここの生活楽しいんよ。爽の事、覚えてる?」
「ぁ、うん…あの小さい子じゃろ?」
「うん。爽の他にも良羽っていう後輩も出来て、それだけじゃない。
バスケ部の後輩以外にだって沢山後輩が居るし、話の合う先輩だって居る!
それに、臨時担任やってる先生も面白いし。
母さんが心配するような事は起きとらん。」
「嘘よ。起きとる!雛がわかっとらんだけ!」
「んな事ない!!泉は俺を守ってくれる!
ずっと前から不思議だったんよ。
なして木曜日は泉と帰るんか。
そんなことせんでも、殆ど一緒に居るのになんの意味があるんじゃろうって…
でも、泉が教えてくれた。
昨日の夜、ずっとゴメンって言いながら教えてくれた」
「っ!?!!
……ほんまに…?全部…?」
「ほんま。じゃけどさ、俺今、幸せなんよ。」
「…?」
「…本当の事知れて、今までの変な凝りが失くなって、スッキリしとる。
今まで母さんが隠しとったんも、無理ない内容じゃとは思ったけど
でも、このまんま隠され続けるのも嫌だった
母さんの事じゃけ、言おう言おうとしてずっと言えずに居ったんじゃろ?」
「……」
「…母さんが心配するような事は何もないんよ」
伝えた。
伝えきった
これで、大丈夫……そう思ったのもつかの間。
母さんは血相を変えて俺にしがみついてきた
「……嘘よ、嘘よ、嘘嘘嘘!!」
「?!」
「母さん聞いたんよ、この学校の子に!!
電話がかかってきて、
ほんで雛が3年生に犯られとるって!!!」
「何の事いいよるん???」
「何って、あんたの事よ!!!」
「誰にもなんもされとらんよ?」
「……ちゃう、の…?」
母さんの腕を掴む手の力が抜ける
「ちゃうよ。俺はそんな事されとらん。ほんまに」
「ほいじゃけど…でも、っ…」
「母さん、落ち着いて?ほんまに何もない」
「でも、雛が……いっつも放課後、無理矢理組み敷かれてあんあん啼かされとるって…」
「んな事されとらん!!!!何ゆうとん?!//」
一体誰だ。
こんなどうしようもないホラ話を母さんに吹き込んだ奴は…
母さんにこんなん言うたら、広島帰らすくらいそらゆうわ
俺は母さんをなだめつつ、そんな事をぼんやりと考えた。
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