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一日の作業を終え、陽が沈む頃合いに帰途に向かう。
思い出すのは、狛枝を拾った夜のこと。
作業を終えても日向のベッドでしんだように睡り続ける男を横目に汗を流し、簡単な食事をし、ソファに横になる。
どうせこの家には盗られるモノなんてない、もし強盗であってもこんな細っこいなよやかな男相手には、楽勝で勝てそうな気がする。
寝息は穏やかで具合の悪いようにも見えない。
食事の匂いにも目を醒まさないのは気になるけれども、そういう奴だっているのだろう。
つらつらと思考を巡らせ、眠気が降りて来たところで瞼を閉じた。
*:.。..。.:*・゜゚・((**))・゜゚・*:.。..
夜半、日向は目を醒ました。
身体を何者かにがっちりと組み敷かれ、動けない。四肢を掴む動きから人間で、同性の男だと知れた。
大声を上げようとした口唇を手で塞がれる。くぐもった悲鳴は喉の奥に消えた。
襲われる、そう、身体中にアラートが走り、本能への恐怖が身を固まらせ、嫌な汗がじとりと身体を濡らした。
やめろ、そう念じる気持ちも虚しく、首筋がはだけられる。こいつ、まさか、生命の危機とは違った恐怖が身体を支配する。
がぷり、そんな音がした気がした。
暗闇に慣れて来た目を見開いた。肉を喰われるその恐怖が身体を動かし、男を押し退けた。
はあはあと荒い息が心臓を揺らす。
立ち上がろうとしたまま目眩を起こし、脚から崩れ落ちた。
暗転する視界。
ホワイトアウトする記憶。
…、それが狛枝との出会いだった。
*:.。..。.:*・゜゚・((**))・゜゚・*:.。..
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