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「正ちゃん上がって上がって、」
学校でも琴子の呼び出しが気になり、授業も全く身に入らず、正太郎は言付けした通り、家に帰り着き着替えもせずに荷物だけ置いて飛んできた。
玄関を出るとき、芳美に「がんばっ!」とエールを送られイラッとし、「うっせぇ!ババア!」と悪態を吐き隣へと急いで今に至る。
正太郎の強張った顔とは対象的に、巫女都はいつもの柔和な笑みで出迎えていて、二人の温度は半端じゃない。
「.....おう。......おばちゃんは?」
「 客間で待ってるよ。どうぞ。」
「スリッパいる?」と聞く巫女都に「いいや」と断り正太郎は客間へ急いだ。
巫女都の家は純和風の家屋で、神社という家柄から人が集まる事が多々あり、客間も複数顕在している。
その複数有る客間の中でも、40畳程も有るだだっ広い客間の床の間の前で、琴子は腕を組み静かに正座していた。
「.........お邪魔します。」
「 遅いっ!!」
ソロソロと畳の上を歩き、距離を詰めた所で琴子に一喝され、正太郎はビクッとする。
「...急いでは来たんすけど。......すんません。」
琴子の鬼気迫る気迫に負けて謝る正太郎に琴子は「違うっ!!」とまた怒鳴る。
「正太郎、アンタまだ巫女都に手出して無いんだって?あれからもう今日で一週よ?毎日会っててなにやってんの。もしかしてアンタ、若いのに枯れてんの?」
「 ......? はぁ!? 」
琴子の突拍子も無い言葉に、一瞬理解が追いつかず、考え込んだが、頭の中で反芻して理解した途端、盛大に驚いた。
「...おばちゃん、なにい、う"い!? 」
何を言っているんだと言おうとしたら、琴子に爪の長い手で、頬がへこんでひょっとこ口に成る程、ムギュッと掴まれて喋れない。
「 おばちゃんだぁ!? 」
「 .........琴子さん、」
言い直すと「それで宜しい」と言って琴子は手を離し、正太郎は痛む頬を擦る。ガキの頃からやられてっけど、もういい加減諦めろよと内心思う。
「正太郎、あの巫女都待ってたら、あんたそれこそ枯れるまで待たされるわよ?それでいいわけ?」
なんでおばちゃんとこんな話ししなきゃなんねぇんだよと思いながらも正太郎は「...良くは.無いです」と本音を漏らした。
琴子の言う通り、天然な上に現状にこの上無く満足している巫女都が、正太郎が手を出して来ない事に痺れを切らす事はおろか、不満に思う日なんかも来ないだろう。
だが、下手に手を出して嫌われたり、傷つけたりはしたく無いと正太郎は二の足を踏んでいる。完全にビビってるのだ。
「そう、なら良いわ。まぁ今日は週末だし丁度良いわね。今夜離れに来なさい。良いわね?」
琴子にそう言われ、良いもなにも不安になる。
「 ...お、...琴子さん、...今夜なにを?」
「 良・い・わ・ねっ?」
「 .........はい。」
今夜何が有るのか聞きたかったが、琴子の有無を云わさぬ物言いに正太郎はもう、はい、と二つ返事を返すしか無かった。
「じゃあ行って宜しい」と言う琴子に正太郎は「はい」とだけ返事をし、客間を後にした。
正太郎はまた夜まで生きた心地がしない時間を過ごす事になった。
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