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「柔道するの久しぶりー!凄っく楽しみぃ!」
放課後、巫女都と正太郎は共に柔道場に来ていた。
ウキウキする巫女都に対して、正太郎は道場の中を見渡しピリピリしている。
...やっぱ駄目だって押し通すべきだった。
盛大に後悔している正太郎の横で、巫女都は早く練習に参加したいと言わんばかりにその場でバサバサと柔道着に着替える為に制服を脱ぎだした。するとざわざわしていた道場が一気にシーンと静まり返り、部員の目が巫女都に釘付けになる。
「 見てんじゃねぇ!!!」
そう吠えると、渋々練習を始めた部員達に正太郎の後悔は募った。始まる前からこれじゃやべぇ。巫女は完全に野郎共の餌食だ。
「桐谷、来てくれて有難う。部員の中に同じレベルで組み手争い出来る相手が居なくって、困ってたから助かるよ。」
柔道部主将で1学年先輩の谷本 亮輔 【タニモトリョウスケ】が巫女都の頭をポンポン撫でながら言う。
その手にムッとした正太郎は巫女都をグッと引き寄せ亮輔にふてぶてしい態度ながらもきちんと伝えた。
「今回だけっすから。あと、無駄に触んな。」
「佐倉はわざわざ来なくても良かったのに。やってかないんだろ?」
「 やりませんけど、巫女と俺はニコイチなんで」
「ふーん。まぁ、何でもいいけど邪魔だけはしないで貰えるかな?あっちの隅っこで大人しくしてろよ。」
火花散る2人を見てはて?と小首を傾げながら巫女都は見ていたが、早く練習をしたくて2人のやり取りを横目で見ながら、準備運動や柔軟を始める。
真一文字に脚を左右に開き、胴を畳にべったり付け身体を伸ばす巫女都を見て、亮輔が「柔らかっ」と独り言を漏らす。
「お陰で色々やり易くって助かってますよ。」
と正太郎はにやりとしながら挑戦的な物言い。それに亮輔がはあからさまにムッとした顔をした。
へっ、ざまあみろ。
再び火花を散らす2人を巫女都は見もせずに、手近な部員から声を掛け相手を頼ぶ。
はじめの内は、立技でバタバタと倒していたが、今、組んでいる相手はかなり体格差が有り、立技では無理と判断した巫女都は、相手の隙を付いて畳の上に押し倒すと、頭側に周り上四方固を掛けた。
途端に周りで見ていた部員達から「おぉーっ!?」と言う声が上がり、羨ましい!だの堪んないだのと彼方此方から下品な声がする。
そんな中、正太郎だけは巫女都を見てギョッとし、オタオタしていた。
巫女ー!!何で選りに選って上四方固なんだよ!?
見様によっては69じゃねーか!!俺だってんな事してもらってねぇのに、あの野郎。...つか何であんなに決まってんのに参ったしねぇんだよ...?
「 っ!?...クソ野郎、」
何かを確かめた正太郎は小さくそう呟き、ズカズカと歩いて行くと、上四方固を決めている巫女都の腹を背中側からヒョイッっと抱え上げる。
「わっ!? 正ちゃん? 何、急に!?」
驚き、慌てる巫女都を抱えたまま、正太郎は巫女都に技をかけられていた部員の顔をガッと足で踏みつけた。「正ちゃん!?」と更に驚く巫女都を無視し、踏みつけた足にさらに力を込めてぐりぐりした。
「...てめぇ、技決められてモッコリさせてんじゃねぇ!!取っとけ、これは俺からの餞別、だっ!!」
言ったと同時に顔の上の足にグッと体重を乗せて踏み潰した。その光景に道場はシーンと静まり返り、今まで羨ましがっていた部員の誰もが正太郎の余りの恐ろしさに、もう巫女都と手合わせしたいとは思わなくなっていた。
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