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「ヒールって凄く歩きにくいね。」
「...ごめん、履いた事無いから分かんないわ。」
僕は履き慣れ無いヒールで歩くのに四苦八苦しちゃって何度も転びそうになり、その度に柿崎くんに助けられてた。
そのお陰で渋々繋いだ手も違和感が無くなって、今では転倒防止としてしっかり握れてる。
「これから会うやつに何か聞かれたら、正太郎との事話せば何とかなると思うから。」
「分かった。ねぇ、昨日からずっと聞きたかったんだけど、何でこんな約束しちゃったの?友達なんでしょ?」
「...あー、そいつ幼馴染みなんだけどさ、昔っから女の好みが被って。中学の時彼女取られてから険悪になっちゃったんだけど、この前ばったり会ったら誘われたんだ。向こうから歩みよって来てくれたのに、あれから彼女作ってないって言ってこの機会潰すのも何かなって...。仲直り、したかったんだ。...面倒な事頼んでごめんね。」
柿崎くんにそう聞くと、少し困った顔で事情を説明してくれた。それを聞いたら友達と仲直り出来るように尽力しようと思って、繋いでいる手にキュッと力を込める。
「柿崎くん、」
「シンちゃんね。」
「あっ、ごめん!シンちゃん、僕、今日1日ちゃんと彼女として頑張るから!友達と仲直り出来るといいね?」
にっそりそう言われ、慎一郎は胸がドキンッと高鳴った。無意識に巫女ちゃんの頭を撫でようとしたら、サッと避けられて、触られんなはやっぱ嫌かと苦笑したら、巫女ちゃんに言われた。
「ダメ!これ崩れたら正ちゃんに怒られるから!」
「 あ、ごめん。...そうだよな、...正太郎か。」
触られるのが苦手とかじゃなく、理由は正太郎かと少しヘコむ。どんな時でも巫女ちゃんの優先事項は正太郎で、正太郎以外は見てないとはっきり気づかされた気がした。
「正太郎は幸せ者だな。巫女ちゃんみたいな子と居れて。ずっとラブラブだもんね。付き合ってどれくらい?」
「 ラブラブ...。えっとー、2ヶ月くらいかな?」
柿崎くんの言葉に照れちゃって、はにかみながら答えると「もっと長い感じがするな」って柿崎くんに笑われて、つられて僕も笑う。
「ねぇねぇシンちゃん、正ちゃんになんて言って今日の事、オッケーして貰ったの?」
「あー、人徳ですよ、人徳」
濁す柿崎くんにプーッと膨れる。正ちゃんも教えてくれなかったから聞いちゃおうと思ってたのに、駄目だったか。でも柿崎くんの言葉に、正ちゃんの言葉を思い出して確かにそうなのかもと思う。
「でもそうかもね。正ちゃん、シンちゃんの事、
ヤリチンだけど良いやつだっていつも言ってるよ。」
「...巫女ちゃん、...それ微妙に喜べない。」
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