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僕の提案に柿崎くんはなかなか言葉を返して来なくて、正ちゃんの事を考えて躊躇っているっぽかったから言ってあげる。
「友達甲斐の無い人の事はパーッと遊んで忘れよ?元はと言えば、正ちゃんが良いって言ったんだし。僕もこんな格好だしさ、今日1日別人って事で。ね?」
「....じゃあ、お言葉に甘えるかな。正直、一人になりたくなかったから助かる。じゃ、今日はデートって事で。パーッと行きますか!」
「 デートっ!?」
驚く巫女都の手を取り、慎一郎は笑いながら歩き出す。巫女都は自分で言った手前、ただの言い回しの違いだと思うことにして、慎一郎の引く手に従って歩きだす。
当初の予定通り、水族館に行こうかという事になり電車で移動したが、慎一郎の気遣いの凄さに巫女都は感心もしたけど恐縮もする。
「柿崎くん、僕、そんな事までして貰わなくても大丈夫だから、」
左右に手を振りながら巫女都がそう断るも、良いからとぐっと抱き込まれる。電車が込み合っていて座れないから吊革に掴まってたけど、慣れないヒールに踏ん張りが効かず、フラフラしてちゃってたら、見かねた柿崎くんが抱き込んでしっかりと支えているんだけど、余りの近さに戸惑ってる。居たたまれなくなって赤面してると、そんな僕を柿崎くんは笑ってる。
「反応が可愛いすぎんですけど。正太郎も通学の時、毎朝こうやってんじゃん。」
「あ、あれは、狭い車内で痴漢を思わず投げちゃったからで、痴漢撃退防止なのか、痴漢防止なのか良く分からないけど、そう言う理由だから...。」
「ああ、成る程。じゃあ、俺もそう言う理由って事で。今日の格好じゃ尚更危ないしね。」
柿崎くんの言い分を聞いて、もう何を言っても無駄な気がしたから僕は諦めて力を抜いたけど、正ちゃんと違う匂いだし、目線も違う。そんな事を思ったら、何かいけない事してるような、変な気分になる。
考えてみれば、正ちゃん以外の人とこうして2人きりで出掛ける事なんて無かったなって気付く。
水族館に着いてからも、小さな事にいちいち正ちゃんを思い出しちゃってた。
「わ!可愛いよ!見て見て正ちゃん!! あ、...ごめんね、」
つい、正ちゃんの名前を呼んじゃって、ごめんねって謝ったら「いいよ」と言った柿崎くんに凄い笑われて恥ずかしい。
「しかし、本当に巫女ちゃんは正太郎しか見てないんだな。つか、そういう子ってマジで居るのな。そうやって一途に思われてるとか、本気で正太郎が羨ましい。」
「そんな、柿崎くんもきっといつか出会えるよ。柿崎だけを見てくれる人と。あ、でもその為には不特定多数と同時に付き合ってちゃダメだよ!正ちゃんは取っ替え引っ換えしてたけど、それだけはしてなかった!」
巫女都の言葉に確かにと慎一郎は笑う。正太郎も下半身ゆるゆるだけど、同時進行はしてなかった。先ずは俺が変わんないといけないんだなと巫女ちゃんの言葉で思い至った。
その後も2人で楽しく水族館を周り、慎一郎が夕食をご馳走すると言ってくれが巫女都は正太郎の事を考える。
「 ありがと。でも、晩ごはんは帰って正ちゃんと食べる。多分食べないで待ってると思うから。」
「ごめんね」と苦笑する巫女都に慎一郎は黙って首を振る。
帰りの電車は空いていて、2人並んで座ると巫女都は疲れたのかスッと眠ってしまい、無防備に眠る巫女都を見ていた慎一郎は、衝動的にキスをしようとしたが、亮を友達甲斐が無い言っていたのをふと思い出して踏み止まる。
...あぶね。友達甲斐の無いやつになるとこだった。...バレたら正太郎に殺されるな。けど、多分...俺も巫女ちゃんの事、
「...想うだけなら、友達甲斐の無いやつって事にはないかな...?」
そう、眠る巫女都に答えの帰って来ない質問をした。
家まで送ると言ってくれた柿崎くんに、大丈夫と断って一人で改札を出たら、「巫女!」と呼ばれて声のする方を見たらそこに正ちゃんがいた。
「 正ちゃん!迎えに来てくれたの?」
「 遅いっ!!っとになにやってんだよ!帰るぞ!」
ご立腹の正ちゃんに、ママみたいって笑ったら、「うるせぇ」って睨まれたけど、次の瞬間には僕の手を取って歩き出した。その手の温度とか、歩幅、目線の高さに凄く安心感を覚えて、なんか可笑しくなる。やっぱ、正ちゃんが一番。
「正ちゃん、ちょっと遠回りして帰ろうよ。」
「巫女があそこの公園のドカンの中でチョメチョメさせてくれんならいいよ。」
「はぁ!?エッチ!! もう知らないっ!!帰る。」
「嘘だよ嘘!怒んなよー」
怒ったフリをしてる僕の機嫌を正ちゃんは一生懸命取り出して。ちょっとエッチだけど、やっぱり正ちゃんが一番で、大好きだなって思った。
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