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巫女神楽の撮影を終え、離れに来た巫女都と正太郎は仲良く風呂に入る。
「 ねぇ正ちゃんシャンプー取って?」
いつぞやと同じように、巫女都は正太郎の背中に覆い被さりながら手を伸ばす。
けれどあの時とは違い、ん。と一言返事をして正太郎はその手にシャンプーを出した。
巫女都は正太郎の背に自分の背を合わせる様に座って鼻歌混じりにシャンプーをしてる。
「 ご機嫌だな巫女。しかも今日は何か近い。」
「ふふ、どこでも良いから正ちゃんのどっかに触ってたいの。やだ?」
「 全然やじゃない。」
正太郎は言いながら自分の頭をシャワーで流し始める。
「 わぷっ、正ちゃん、僕に掛かってる!」
「 はは、わざとだよ!」
「もう!そんなの分かってるよ!はい、序でに流して。」
少しずれて横から頭を出す巫女都に笑い、正太郎は体勢を変えてその頭をシャワーで丁寧に流すと、チュッと軽くキスをした。
「 おし、終わったぞ。ほれ、」
終わりを告げてもにこにこと見てる巫女都に、正太郎は、ん?と疑問符を投げ掛ける。
「 正ちゃん大好き。」
満面の笑みで言う巫女都にはいはいと笑いながら返事をし、暑いから浴槽には入らないと言う巫女都にならい、正太郎も一緒に風呂場を後にした。
部屋に戻ると、琴子が置いていってくれたであろう婚礼の祝い膳が置いてあり、寿の文字が施されている膳を見て二人顔を見合わせて笑う。
「 ただのプロモ撮りだって言ってたのにね!」
「だな。今だって集まって飲んでるしな、」
心から幸せだと思った。他人はどう思うか分からないけど、家族が自分達を認めて祝ってくれる。
プロモ撮影だと言いながら、指輪を用意してくれたり、喜びに涙してくれたり、こうして祝い膳を用意してくれたり、喜びは尽きない。
「 なぁ巫女、白無垢の意味って知ってっか?」
「 ん?...純真無垢なまま嫁ぎます。って意味じゃなかったっけ?」
「何か色々あるらしいけど、生家の子として一度死んで、婚家の子として生まれ変わるって意味があんだって。だから、死ぬ覚悟で嫁ぎますっつー気持ちを込めて白無垢着んだって。つー事は、巫女は俺の為に生まれ変わったって事。つまりもう俺だけのもんだ、」
「 ふふ、最初からそうじゃん。」
にっと笑って言われた言葉に巫女都も笑うと、そうする事が必然という程自然とキスをする。
何時もの欲を煽るようなキスでは無く、慈しみ分け与えるような優しいものだった。
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