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「 あっちぃ.........、」
正太郎はクーラーが切れた事により、7月真っ只中の暑さのせいで目が覚めた。
クーラーを入れようとベッドの上を手探りでリモコンを探していると、隣に巫女が居ない。
「.....飯作ってんのか?」
そう思い、再度リモコンを探して二度寝しようと思ったが、夕食作りの時も片手で苦戦したと言っていた事を思い出す。
「 ...しょーがねぇ。起きるか。」
渋々起き上がると、松葉杖を付いて下へ行き、「巫女?」と声を掛けたけど返事が無くて、まさかと思い慌てて二階の部屋に向かう。
「 おい!まさか巫女に添い寝なんかさせてねぇだろうな!! 寒っ!? 」
言いながら琥太郎の部屋に入ったけど、クーラーがキンキンにきいてる部屋には巫女は居なくて、琥太郎が一人で寝てる。
俺は枕元にあったクーラーのリモコンを手に取ると、設定温度を一番低く下げてから、リモコンをサイドチェストの中に隠した。
「ふひひ! 下痢しろ下痢!」
一人ほくそ笑むとドアを静かに閉めて下に降りる。あいつは寒くて凍え死ぬだろう。ざまあと笑ってふと玄関を見ると、巫女都の靴が無い。
「 ....ああ、神社か。面倒臭ぇ。...はぁ、しゃー無い、行くか。」
神社へ着き石段を上がると、巫女都の家に雇われている神職者の鈴木さんが居て、俺は声を掛けた。
「 鈴木さんおはよ。巫女来てます?」
「あぁ、正太郎君おはよう。...これが置き去りでさ、私も探しているんだけど、本殿にも居ないし、母屋も鍵が掛かってるんだよ。どこいっちゃったかなぁ〜。」
鈴木さんがこれと言って出してきた竹箒を見て、俺は眉を顰める。几帳面な巫女が箒を置き去りで何処かに行くなどあり得ないと思い、言い知れぬ焦燥感に襲われた。
「....俺、境内もっかいぐるっと見て来ます。」
俺は鈴木さんにそう言うと、出来うる限り速度を上げて歩きだした。母屋へ着き、玄関に手を掛けて引いたけど、やっぱ鍵が掛かってる。俺は念の為玄関ドアをドンドン叩きながら声を掛けた。
「巫女ぉー、居ないのかー!」
応答が無いかを少し待って離れへ向かうと、同じ様に確認したけど返事はねぇ。俺は境内に戻り、社殿を順にキョロキョロしながら巫女を探した。
拝殿の石段を上がり中を確認すると、拝殿と弊殿の本殿の中に入り声を掛けたがやっぱ応答はない。どこいったんだよって思いながら本殿の石段を降りてると、ふと本殿の横に見覚えのある草履が落ちているのを見つけて、嫌な汗が背中を伝う。
「.........巫女、」
そこまで降りて行ってその草履を拾うと、嫌な予感がして本殿裏の林に入って辺りを見渡し、林の中を進んでいって少し先に人影の様なものが動くのが見えて俺は足を止めた。
「 っ!? 」
じっと見ていた人影の下に緋袴の色が見えて、俺は松葉杖を捨てて歩るいてた。不思議と痛みは感じなかった。
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