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琥太郎の部屋を出ると巫女都は真っ先に洗面所に向かい、じゃぶじゃぶ手を洗ってる。
「...巫女、腹減ったんだけど...、...どした?」
フラッと現れた正太郎がそう声を掛けるも、巫女都はまるで潔癖症の様に、ハンドソープを継ぎ足しながらゴシゴシ手を洗っていた。
「 ごめん、正ちゃん。お粥作ってあるから直ぐ支度する。」
手を濯ぎ始めて漸くそう返してきた巫女を俺は訝しげな顔をして見てっと、そこに顔をドロッドロにした琥太郎がやってきて俺は顔を顰める。
「...汚ね。...なにそれ、鼻水...?」
怪訝な顔で聞くも、琥太郎はハァとため息を吐く。
「...違げぇよ。男の涙だ。」
「...なんだそりゃ。意味分かんねぇ。」
「 皆まで聞くな。悟れ。巫女都、洗面譲って。早急に顔洗いてぇ...」
身体ごと割り込ませそう言う琥太郎に、巫女は凄え冷たい顔をしてて、洗った手の飛沫を琥太郎の顔に、ピッピッと払った。
「 わっ!?オエッ!?ペッペッ、口に入ったじゃねぇかっ!! 何すんだよ!」
慌てふためく琥太郎に巫女はフンッ!とそっぽを向くとスタスタとキッチンへ行っちまった。
「...おまえ、何したの?巫女、凄げぇ怒ってるぞ?」
「 自分に正直になった結果だ。甘んじて請けよう」
俺は尚も意味の分からない事を言う琥太郎に飯だってとだけ言うとキッチンへ向かった。
正太郎がテーブルに着くと巫女都が目の前にお粥の入った椀とレンゲを置いたが、後から入ってきた琥太郎を一瞥して、巫女都はキッチンへ行くと、予め用意していたメモとボールに入れたお粥を琥太郎の目の前にドンッと置いた。
【 コタロウのエサ 】
「...................。」
「 ぶっ、あははははっ!!!」
そのメモ見て琥太郎は固まり、正太郎は盛大に笑う。
「...エサって。...しかもボールかよ。巫女都、俺のレンゲは...?」
「琥太ちゃんは獣だから顔つけてたべれば。フンッ!」
ご立腹の巫女都に何を言っても無駄だと、自分でレンゲを取りに行きボールを抱えて食べ始めた琥太郎を見て、俺は涙を浮かべながら腹を抱えて笑った。
「 うける...っ、つか、おまえ、マジでなにやったのっ?」
「...巫女都のお手て借りて、したらこの有り様だ。もう二度と致しませんごめんなさい。」
「はぁ、うける、...ん?...はぁっ!? ざっけんなよてめぇ!!」
笑ってたと思ったら急に青筋立てて怒り出した正太郎を巫女都は慌てて取り抑えた。
「てめぇっ!!絶対ぶっ殺す!!」
「...巫女都に自分のザーメン顔にぶっかけられて、家畜扱いされてる俺にこれ以上酷い事しようってか。冷たい弟だねぇ...」
「...あれ鼻水じゃねぇの?...まぁ、自業自得だな。ざまあっ。ほら、エサ喰え。」
同じ男としてこれ以上無い仕打ちを受けていた琥太郎に、怒りを通り越し憐れみさえ感じた俺は、琥太郎を今回は不問に処する事を決めた。
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